2022 Fiscal Year Annual Research Report
極性転換の概念を利用するアルケンの新規触媒的不斉二官能基化反応の開発
Project/Area Number |
22J10951
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西野 創士 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 銅触媒 / 求電子的アミノ化 / アミノ酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
アルケンの触媒的二官能基化は、安価で入手容易なアルケンから短行程で付加価値の高い化合物を合成することができる非常に魅力的な手法である。申請者は銅触媒存在下、α,β-不飽和エステルに対しジボロンおよびヒドロキシルアミン誘導体を反応させることで、アルケン部位にホウ素原子と窒素原子を触媒的に一挙に導入することに成功し、対応するβ-ボリル-α-アミノ酸誘導体が得られることを見出した。本反応達成の鍵は、極性転換の概念を利用し、本来求核剤としてはたらく窒素原子を求電子剤として作動させていることである。すなわち、窒素上に酸素脱離基を導入したヒドロキシルアミン誘導体を用いることで、求核剤であるホウ素とヘテロ原子である窒素原子の逐次的な導入を可能にしている。加えて従来の強力なアルコキシド系塩基の代わりにアセテート系塩基を用いる「第二世代アミノ化系」を適用していることも重要な点である。本反応は非常に高いジアステレオ選択性で進行する。また適切な不斉配位子を用いることで光学活性なβ-ボリル-α-アミノ酸誘導体の合成にも成功した。本反応において得られる生成物はホウ素部位の変換反応が可能であり、高い光学純度を有する種々の非天然アミノ酸へと誘導することができた。 さらに同様の反応条件下、ヒドロキシルアミン誘導体に代えてフッ化アシルを用いるとアシルホウ素化反応が進行した。また不飽和エステルだけではなく、α,β-不飽和リン酸エステルに対しても、同様の銅触媒二官能基化反応が適用できることも見出した。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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