2023 Fiscal Year Annual Research Report
環境認識に基づく、動的環境下での高速マルチコンタクト動作計画
Project/Area Number |
22KJ2133
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
都留 将人 大阪大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ヒューマノイドロボット / マルチコンタクト動作 / 動作計画 / マッピング / コンピュータビジョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は周囲の環境を視覚センシングにより認識し、自律的に動作を計画・実行する"自律型ヒューマノイドロボット"の研究開発に取り組んだ。 令和4年度は3次元マッピングシステムの開発とシミュレーション上での実験を行った事に対し、令和5年度は提案手法を実物のヒューマノイドロボットに搭載し、実機実験まで達成した。 不安定な足場や大きな段差、急峻な階段などを踏破する際、ロボットも人間と同様に手すりを掴むなどし、安定性を向上させることが望まれる。 多くの従来研究は、四肢の組み合わせパターンを探す探索問題や、その状態間遷移の可否判定を題材としてきた。そのため環境全体を事前に既知とした前提が多く、災害現場などの地形情報が無い環境をロボットが手を使って踏破する前例は無い。そこで本研究は、ロボットに独自開発したマッピングシステムを搭載し、未知環境でも手を使って段差を踏破する事に成功した。 研究の前半期では、おおよその接触パターンをヒントとして与え、ロボットが適応的に修正する事から着手した。手足の接触・リリースの順番や歩幅間隔を事前に設定すれば、ロボットが頭部カメラから環境を正確に認識し、足の着地点や手の接触点を高速に修正することまで成功した。この成果は国際ジャーナル誌 MDPI Sensors に掲載された。 研究の後半期では、手の補助が必要かどうかロボット自身に自律判断させる手法を提案した。ロボットは歩行中に遭遇した障害の程度(段差の大きさや地面の傾き)に応じて踏破難易度を評価し、基準値以上の危険性が見込まれた場合に周辺の手すりや壁に自動的に手をついて踏破することに成功した。この成果は国際ジャーナル誌 IEEE Transactions on Automation Science and Engineering(T-ASE)に投稿され、現在査読審査下にある。
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