2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ2181
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北山 航 大阪大学, 人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 室町幕府 / 訴訟制度 / 奉行人 |
Outline of Annual Research Achievements |
採用2年度に当たる今年度は、室町幕府奉行人関係の悉皆調査に加え、東京大学史料編纂所を中心に幕府訴訟制度関連史料の調査・分析を行った。今年度の研究実績は、昨年度からの継続分も含め、以下の通りである。 (1)昨年度に学術雑誌へ投稿していた、応仁・文明の乱前後における幕府奉行人層の政治的動向を検討した論文が採用され、『ヒストリア』303号(2024年4月)に掲載予定である。 (2)昨年度に東寺文書研究会で報告した、室町期における東寺奉行の就任経緯と役割変化の過程を検討した論文を学術雑誌へ投稿・採用され、『古文書研究』97号(2024年6月)に掲載予定である。 (3)昨年度に日本史研究会で報告した、応仁・文明の乱以後に荘園現地宛の奉行人奉書が急増する背景について検討した論文を学術雑誌へ投稿した。 (4)室町幕府と九州方面との取次や外交事務を担う「鎮西并者の動向を含めた検討を行った。その成果は現在、学術雑誌へ投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
史料の収集・分析ともに順調に作業が進行しており、かつ昨年度から継続して行ってきた課題も学術論文として発表できる段階に至った。特に幕府奉行人の活動形態に関する基礎的な考察を踏まえて、訴訟制度面の検討に移ることができた点は、今年度の大きな研究進展であると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度に検討した課題を論文化していく作業に加え、以下の課題に取り組む。 (1)室町幕府における訴訟処理過程の変容について、賦奉行の活動形態から考察する。 (2)今年度までの成果等を踏まえ、室町幕府における政務処理方式の特質とその変容過程について把握を試みる。
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Causes of Carryover |
研究計画通り物品費と旅費等を執行したところ、主な購入物品である書籍代の定価の都合上、やむを得ず711円の余剰が生じた。次年度は書籍代としての使用を予定している。
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Research Products
(2 results)