2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of a mechanism of pathogenicity exerted by periodontopathic bacteria for exploring molecularly targeted drugs
Project/Area Number |
22J20414
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 真吉 大阪大学, 歯学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 歯学 / 微生物学 / 口腔細菌学 / インターフェロン |
Outline of Annual Research Achievements |
P. gingivalis と宿主細胞との間に生じる複雑な相互作用については数多くの研究がなされてきているが、活性化マクロファージにおける STAT1の発現制御に関する検討はほとんどなされていないのが現状である。そこで本年度は研究計画に基づきP. gingivalis感染時の活性化マクロファージにおける STAT1の発現低下を指標として、本菌が有する免疫抑制機能に関わる細菌側因子、宿主側因子双方の検討を行った。P. gingivalisが分泌するシステインプロテアーゼであるジンジパインの遺伝子欠損株を作製したところ、活性化マクロファージ感染時、野生株が持つ免疫抑制効果が損なわれることを見出した。また、P. gingivalisのATPaseの欠損株でもジンジパイン欠損株と同等、あるいはそれ以上の免疫抑制効果の解除が認められた。 宿主側因子の探索では、低分子シグナル阻害化合物ライブラリーを用いて網羅的探索を行った。解析の結果、複数の薬剤に本菌依存的なインターフェロンシグナル抑制に対する阻害効果が認められたものの、いずれの薬剤も細胞毒性が強く、候補シグナルを絞り込んでいくためには今後さらなるより特異的な解析が必要であると考えられた。 また、In vivoでの病態解析に先立ち、絹糸結紮による歯周炎誘発マウスモデルおよび露髄による根尖性歯周炎マウスモデルを作製し、骨量の変化を測定した。経時的に歯周組織や根尖周囲組織での骨量減少が確認でき、病態の評価に有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P. gingivalis感染時の活性化マクロファージにおける STAT1の発現低下に関して、病原体および宿主の両面から解析を試みた。STAT1発現低下に関連するいくつかの要素を発見することができ、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度発見したATPaseと、ジンジパインの分泌・機能の関連性についての報告は過去になく、本菌が持つ特有の免疫抑制機構にこのATPaseが単独で寄与しているのか、それともジンジパインの作用を介して関わっているのかも含めて言語は詳細な機能解析を行っていく予定である。また、In vivoでは確立した動物実験モデルを使用してP. gingivalis感染時や阻害剤での処理を行った群での変化を検討していく予定である。
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