2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J20562
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 拓 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 磁性材料 / 磁歪 / 逆磁歪効果 / 振動発電 / 逆磁歪材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
逆磁歪効果を利用した振動発電は、次世代電力源として期待されている。用途拡大のため発電出力の向上が望まれており、振動発電デバイスのサイズを大型化することで、発電出力を大幅に増加させることができる。しかし、現在用いられているFe-Ga合金単結晶は大型化が困難である。本研究は、圧延後の熱処理により結晶方向を配向させた方向性電磁鋼板から着想を得て、高効率かつ大型化に対応可能な逆磁歪材料の開発を目指す。 本年度は、方向性電磁鋼板(Fe-Si基合金)を搭載した大型のユニモルフU字型振動発電デバイスを作製し、振動発電特性の評価を行った。このデバイスは、逆磁歪材料をU字型フレームに張り付けたユニモルフコアにコイルを巻き付け、バイアス磁場を印加するための永久磁石を設置することで構成される。デバイスの先端を振幅2 mm、周波数100 Hzのsin波で振動させた場合、16 mm x 4 mm x 0.35 mmの試料を搭載した小型デバイスの平均電力は最大で0.28 mWを示した。一方、アスペクト比一定で寸法を4倍(体積は64倍)にした大型デバイスでは、振幅8 mmの振動で36.7 mWという大きな電力を示した。このような大型化による電力の増加は定式により表すことができた。よって、方向性電磁鋼板において大型化の効果は顕著であり、高出力な大型デバイスへの応用が期待できる。また、短冊状の試料に磁場および応力を印加し、その際の磁化変化を測定する逆磁歪効果評価システムを構築した。このシステムにより、一定応力中での動的磁場による磁化変化や一定磁場中での動的応力による磁化変化が測定可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
方向性電磁鋼板を搭載した振動発電デバイスの大型化による電力の増加を実験と定式により確認できたから。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で大型化の効果を実証できたので、高効率な逆磁歪材料の開発に取り組む。また、逆磁歪評価システムを用いて開発した材料の強みと弱みを明らかにし、有効な活用方法を検討する。
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