2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ2219
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 裕子 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | モデル動物作成 / 神経障害 / 運動機能障害 / 神経免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、視神経脊髄炎の病態について、アストロサイト障害後の炎症反応と神経障害の関連を分子レベルで解明することである。 本年度は、確立した視神経脊髄炎(脳病変)マウスモデルを用いて、経時的に脳の組織学的解析を行った。さらに前年度に絞り込んでいた神経障害に関与すると予想される免疫細胞に発現する分子について阻害実験を行い、組織障害の程度と運動障害の改善が生じるか検証した。 組織学的解析からは、広範なアストロサイト障害と、免疫細胞の浸潤が確認された。そのため免疫細胞のサブタイプ分類、病理変化との関連について解析を行った。これらの評価によって、視神経脊髄炎の病理下でどのような種類の免疫細胞が集積しているかについて確認できた。次に神経障害に関与する細胞について同定するための実験を進めている。これまでに行った実験で標的となる細胞を絞り込んでおり、これらを選択的に薬剤で除去または機能の阻害実験を行うことで検討している。今後、神経障害の評価については、行動試験を実施し運動機能評価と神経細胞の数やアポトーシスの検出を含めた組織学的解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、確立した視神経脊髄炎(脳病変)マウスモデルを用いて、経時的に脳の病理変化や運動機能障害の行動試験について解析を行った。さらに前年度に絞り込んでいた神経障害に関与すると予想される免疫細胞の除去や免疫細胞に発現する分子について機能阻害実験を行った。この実験により、組織障害の程度と運動障害の改善が生じるか検証を行っている。本研究の仮説を検証するために必要な実験系の構築を行い、薬剤投与によってその効果を検証しているため、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、神経障害がどの細胞によって、またどの様なメカニズムで生じるかを明らかにするための検証を行う予定である。神経障害の緩和について検証するために、運動機能評価と組織の解析を行っている。また、網羅的な遺伝子解析や免疫細胞の機能状態マーカーについても検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
研究の進展に伴い、当初予想し得なかった新たな知見が得られた。その知見の妥当性について検証するのに時間を要し、当初行う予定だったin vitroの実験やコンディショナルノックアウトマウスづくりを中断するなどの実験計画を変更する必要があった。次年度は十分に検証が行われた知見をもとにin vitroにて、病態によって誘導される免疫細胞が神経障害に直接または間接的のどちらで影響を及ぼしているか明らかにするための実験を行う予定である。
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Research Products
(3 results)