2023 Fiscal Year Annual Research Report
オンチップ迅速核酸増幅-免疫FET検出によるPOCT多項目診断バイオセンサの開発
Project/Area Number |
22KJ2239
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
繁森 弘基 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | CRISPR / DNAセンサ / 多項目検出 / マイクロアレイ / 変異解析 / 迅速診断 / 電気化学センサ / POCT |
Outline of Annual Research Achievements |
細菌・古細菌の獲得免疫機構として知られるCRISPR/Cas12機構が標的二本鎖DNA (dsDNA)を迅速かつ特異的に認識し、同時に非標的一本鎖DNA (ssDNA)切断を応用した信号変換に利用できることから最先端の遺伝子検出技術として注目されている。そして、本機構の構成分子 (Cas12及び蛍光標識ssDNA)をマイクロ流路やFET等 の電極上に表面化学修飾及び微小集積化し、迅速病原微生物同定技術を実現することが本研究課題の最終目標である。昨年度までは、「Cas12及び蛍光標識ssDNAを化学修飾した表面における多項目dsDNA検出の検証」を実施した。まず、表面化学修飾法を確立する上で、蛍光標識ssDNAの長さ、Cas12の結合様式、ssDNAとCas12の濃度比を最適化した。この表面を疎水性シールによって簡易的にアレイスポット化し、標的dsDNA配列の識別を試みたところ、標的dsDNAに応じたスポットのみが固相系コラテラル切断反応(SPCC)由来の蛍光減少を示した。この多項目検出の概念実証の成果は現在Bioconjugate Chem.誌に公開されており、またSPCCの原理解明から特許を出願した。 最終年度は「SPCC表面を微小集積化したDNAセンサアレイの開発」を実施した。SPCCスポットの微小化を試みる上でCas12溶液の配置方法をピペットからバルブジェットプリンタに移行したところ、SPCCスポットを0.64 mm径まで微小化でき、1 cm^2辺り最大190スポット集積化できる事が明らかになった。また、標的dsDNA濃度応答はLangmuirの吸着等温式に従っており、この式からSPCCスポットの微小化がCas12の活性や修飾密度に与える影響を評価した。この微小集積化したセンサアレイにおいても多項目検出を達成し、これらの成果はMicromachines誌に公開された。
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