2023 Fiscal Year Annual Research Report
アクセシブル増強磁場を有する高屈折率誘電体メタサーフェスの開発と光化学反応場応用
Project/Area Number |
22KJ2262
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
長谷部 宏明 神戸大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | メタサーフェス / トロイダル双極子共鳴 / S-T遷移 / 磁気双極子遷移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はアクセシブルな磁場増強を有するメタサーフェスの開発とそれを光化学反応プラットホームとして応用することを目的としている。ここではメタサーフェス上の分子の励起三重項のエネルギー移動による光化学反応を用いる。メタサーフェスの磁場増強により分子の禁制遷移であるS-T励起確率の増強し、本来必要であるS-S励起エネルギーよりも小さいエネルギーで光化学反応が促進されることを示す。採用期間を通じて以下のことに取り組んだ。 初年度~ (1)本研究ではシリコンナノディスクの六方格子配列を用いた。FDTD計算により、直径/高さの比が大きいときに発現するトロイダル双極子モードを用いることで磁場増強場を最大化できることを見出した。ナノディスク間のモードカップリングによって更に大きな磁場増強が得られることを明らかにした。(2)計算結果をもとに、ナノスフィアリソグラフィによってメタサーフェスを作製した。作製したメタサーフェスの透過スペクトルとシミュレーション結果と比較することで、設計通りの構造が作製できていることを明らかにした。 最終年度~ (3)光化学反応プラットホームとして、上記作製したメタサーフェスと光増感剤の複合構造の作製プロセス開発を行った。メタサーフェス上にアミノ基を修飾し、分子中のカルボキシル基とアミド結合を形成することで直接修飾を試みた。吸光度測定及び発光測定から、そのプロセスによって複合体が作製できていることを明らかにした。(4)光化学反応として一重項酸素を生成し、DPBF分子の脱色反応の促進を示した。上記作製したメタサーフェス上で励起波長を変えながらDPDF分子の脱色レートを比較したところ、共鳴波長でレートが促進されていることを示した。また、本来必要であるS-S励起エネルギーより400 meV小さいエネルギーにおいて光化学反応が促進したことを実証した。
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