2022 Fiscal Year Annual Research Report
凍結乾燥を利用した多孔質固体の力学物性制御に関する研究
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22J14107
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
曽我部 知史 広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | テクスチャー / 凍結乾燥 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多孔質構造が固体食品の食感に及ぼす影響を明らかにし、凍結乾燥により調製される固体の食感制御指標を確立することを目的とした。初年度は、マルトデキストリンからなるモデル多孔質固体に対する検討を行った。多孔質固体の食感はレオメーターを用いた圧縮破断試験により評価した。一定密度(クリティカル密度)以上の固体は脆性破壊を示し、その多孔質度(見かけ密度)低下に伴い破断荷重や圧縮エネルギーは低下、サクサク感に相当する破断ピーク数は増加した。見かけ密度と破断荷重との関係は、両対数プロットにおける一次式において予測できることが示唆された。一方、クリティカル密度以下の固体は明確な破断挙動を示さず、ふわふわとした弾性的な性質を示すことが確認された。破断を示さない固体の食感を繰返し圧縮試験における復元率により評価した。ふわふわとした性質と脆性とを併せ持つ、ある特定領域(密度0とクリティカル密度との中間付近)を除き、多孔質構造は復元率に影響を与えなかった。 凍結乾燥において、乾燥条件によってはコラプス(多孔質構造の崩壊)が発生することがある。甘味料等として用いられる少糖はマルトデキストリンと比べコラプスしやすい。今後検討予定である少糖等を含む多成分モデルにおける凍結乾燥条件最適化のため検討も行った。この結果、溶液をゲル化してから凍結乾燥することで、材料の凍結濃縮ガラス転移温度にかかわらず、コラプス防止と乾燥効率改善とを両立できることが分かった。 以上の研究成果の一部は、国内シンポジウムおよび国際学会にて発表した(ポスター発表)。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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