2023 Fiscal Year Annual Research Report
砂礫混合土の微視的モデルによる初期状態量と強度の評価に関する研究
Project/Area Number |
22KJ2345
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
田上 聖人 山口大学, 大学院創成科学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 礫分 / 拘束圧 / 平面ひずみ圧縮試験 / 画像解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
二種混合体として、砂礫混合土のように礫分(大粒子)と砂分(小粒子)で構成される土がある。二種混合体は大粒子含有率により、強度や破壊形態といった材料挙動が変化する。具体的には、小粒子が材料挙動の主体となる「小粒子骨格挙動」、大粒子が主体となる「大粒子骨格挙動」、それらの間に位置し双方の特徴が現れ大粒子含有率によって変化する「中間骨格挙動」がある。また、小粒子骨格挙動と中間骨格挙動の境界は「小粒子骨格挙動の限界大粒子含有率」、中間骨格挙動と大粒子骨格挙動の境界は「大粒子骨格挙動の限界大粒子含有率」である。本研究では、二種混合体の中間骨格挙動と限界大粒子含有率に与える拘束圧の影響を把握するとともに、限界大粒子含有率を評価する微視的モデルについて検討を行った。 令和5年度は、拘束圧50kPaの平面ひずみ圧縮試験および画像解析を実施し、前年度の100kPaの結果と比較することで、拘束圧の影響を評価した。 実験の結果、強度(主応力差)を指標とした場合、中間骨格挙動では、どちらの拘束圧でも主応力差は増加傾向であったが、拘束圧が高いと増加率が高くなった。また、限界大粒子含有率は、拘束圧が増加すると、小粒子骨格挙動の限界大粒子含有率は小さくなった。破壊形態(せん断帯の傾斜角と幅)を指標とした場合、中間骨格挙動では、どちらの拘束圧でも、傾斜角は減少傾向、幅は増加傾向であった。限界大粒子含有率は、ばらつきが大きく、拘束圧の違いによる有意な差は認められなかった。最後に、主応力差を指標とした限界大粒子含有率と、微視的モデルで算出した限界大粒子含有率を比較したところ、双方に差が生じた。原因は、微視的モデルのパラメーターの一つが、拘束圧が非常に低い安息角実験の結果から導出されていることと推察される。そのため、微視的モデルのパラメーターに拘束圧作用下で得られた実験や解析結果を考慮する必要があると考えられる。
|
Research Products
(7 results)