2021 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子c-Mycと相互作用するタンパク質の絶対定量解析
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21J21238
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立石 千瑳 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | c-Myc / プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでの研究でDDAを用いて網羅的に同定したc-Myc相互作用因子136種類を対象に所属研究室で開発した大規模ターゲットプロテオミクスプラットフォームであるiMPAQT法を用いて定量解析を行い、c-Mycインタラクトームの機能的役割の解明を目指す。 本年度はまず第一にiMPAQT法を行うために必要である、測定に最適なペプチドの選定と絶対定量に必要な内部標準ペプチドの作製を行った。当研究室が所有するヒト組み換えタンパク質ライブラリの中から標的とする136種類のタンパク質を選び出し、LC-MS/MSを用いて測定した。この得られた実測値をもとに高感度に検出されるペプチドをそれぞれ2つずつ選定した。次にこれらを連結した人工タンパク質をデザインし、安定同位体標識されたアミノ酸を含んだ培地において大腸菌タンパク質発現系を用いることで内部標準タンパク質を作製した。 続いてこの内部標準タンパク質を用いてiMPAQT法を行うことができるのか検証するために、内部標準タンパク質とHEK293Tから精製したc-Myc複合体を混合し、LC-MS/MSによるMRMを実施した。その結果c-Myc相互作用因子の約8割が同定され、さらに同定されたタンパク質の絶対定量が可能であったことを確認した。 今後は、レトロウイルスシステムを用いて野生型c-Myc、および12種類の部分欠損変異体c-Myc、11種類のがん関連点変異体c-Mycを安定的に発現する細胞を樹立後、申請者がこれまでの研究において確立させたc-Myc複合体の精製法を用いてc-Myc複合体の精製を行い、それらをサンプルとしてiMPAQT法を用いた定量解析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画では、一年目に1)iMPAQT 法を行うための予備検討、2)野生型c-Mycおよび変異体c-Myc安定発現細胞の樹立、二年目に3)c-Myc 複合体のiMPAQT 法による測定、三年目に4)c-Myc インタラクトームの機能解析の予定を組んでいた。現在までに1)iMPAQT 法を行うための予備検討は終了し、2)野生型c-Mycおよび変異体c-Myc安定発現細胞の樹立を行うためのベクター作製まで準備を行なっている。このことから研究の進捗は計画通りに進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画としては、まず研究に必要な野生型c-Mycおよび変異体c-Myc安定発現細胞の樹立を行う。次に、これまでの研究において確立させたc-Myc 複合体の精製法を用いて、樹立したそれぞれの細胞からc-Myc 複合体を精製し、iMPAQT 法を用いてc-Myc 相互作用因子の絶対定量を行う。
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