2023 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子c-Mycと相互作用するタンパク質の絶対定量解析
Project/Area Number |
22KJ2385
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立石 千瑳 九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | プロテオミクス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでの研究でプロテオミクス解析を用いて網羅的に同定したc-Myc相互作用因子136種類を対象に所属研究室で開発した大規模ターゲットプロテオミクスプラットフォームであるiMPAQT法を用いて定量解析を行い、c-Mycインターラクトームを正確に解明する。 昨年度までに、野生型c-Myc、および12種類の部分欠損変異体c-Myc、11種類のがん関連点変異体c-Mycを安定的に発現する細胞を樹立後、申請者がこれまでの研究において確立させたc-Myc複合体の精製法を用いてc-Myc複合体の精製を行い、それらをサンプルとしてiMPAQT法を用いた定量解析を行った。その結果、各相互作用因子のc-Myc結合部位を同定や、c-Myc遺伝子変異によって生じる相互作用因子のc-Myc結合量の変化を解析し、重要な構成因子を明らかにした。 そこで次に本年度は、c-Myc複合体の生理的な意義について調べるために、様々なストレス環境条件下におけるc-Myc複合体の量的変化を解析した。その結果、アミノ酸飢餓条件下においてc-Mycとヒストン修飾複合体であるSAGA複合体とNuA4複合体の構成比が変化していることが明らかになった。SAGA複合体はヒストンH3を、NuA4複合体はヒストンH4をそれぞれアセチル化することが知られているため、c-Mycは細胞内のアミノ酸量の状態に応じてH3とH4のアセチル化の割合を変化させている可能性が示唆された。そのため現在は、ChIP-seqやRNA-seqなどをもちいた実験を行い、網羅的な解析を進めている。
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