2023 Fiscal Year Annual Research Report
超音速内部流動における相変化を伴う二相流動現象の解明
Project/Area Number |
22KJ2390
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
真部 魁人 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 圧縮性流体 / 気液二相流 / VOF法 / 数値解析 / 蒸気タービン / 水膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
蒸気タービン最終段付近において非平衡凝縮により発生した水滴は,翼面上に集積することで液脈や液膜を形成し,後流に飛散した液滴はタービン翼損傷の原因となる.実験によりタービン翼面上における液相の挙動を把握することは困難であることから,数値シミュレーションを用いて流動現象を把握することが重要な課題である. そこで本研究では,移動界面の捕捉を行うVOF法を基礎としたFive-Equationモデルのアイディアを用いて数値解析手法の定式化を行い,数値解析コードを構築した.まずは実験結果や厳密解が明らかとなっている単純な二次元問題(Dam-Break ProblemおよびLayered Poesuille Flow)に適用し,当該解析手法の妥当性を示した.また蒸気タービン最終段付近は超音速を呈する二相流問題であることから,同解析手法をShockwave-Droplet Interactionのような衝撃波を含む二相流問題にも適用し,安定して計算可能であることを確認した. さらに主題であるタービン最終段における水脈および水膜に関する流動現象解明に向けた基礎検討として,本研究で構築した解析手法を三次元長方形管内において高速気流に伴われて流動する薄膜流に適用した.しかしながら数値拡散に伴う気液界面の鈍化が計算の不安定要素となり,気流に伴われた液相が液膜を形成するまでに要する膨大な時間積分が困難であった.そこで前年度までに構築した気液界面の再構築法であるρ-THINC法を導入することにより,当該問題においても気液界面を一定の解像度に保持し,液膜を形成する過程において比較的安定した解析を実施することができた.最終的に本解析で得られた液相の膜厚や速度分布の結果から本解析手法の有効性について評価を行った.
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