2022 Fiscal Year Annual Research Report
高解像度・広範囲の浅海底地形モデルを用いた海藻類の分布特性の解明
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22J00770
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神吉 隆行 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 藻場 / 磯焼け / 海底地形測量 / フォトグラメトリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、福岡県糸島市姫島周辺海域の自然岩礁と人為的に設置された投石帯を調査地として選定した。自然岩礁では、海藻類の種組成および各種の消長と藻場の成立する立地に関する調査を行った。姫島西部海域に岸から測線を設定し、7月、8月、1月を除く各月に、出現した海藻類の種と密度を枠取り調査した。多種の海藻類が繁茂する時期は4~6月であり、この時期には水深2 m以浅の転石帯と水深8 m以深の砂の堆積した転石帯に海藻類が多くみられた一方で、中間域では大型海藻類が年間を通してほとんど生育しない磯焼け状態(中焼け)となっていた。 姫島南部の投石群においては、潜水調査を行い写真測量によって海底地形および投石の配置状況を高精度に再現した50 m× 10 mにおよぶ3次元の海底地形モデルを2か所作成した。砂地に置かれた投石にはワカメ、アカモク、ヤツマタモクなどの大型海藻類が出現した一方で、元々転石帯があった上に置かれた投石には春にフクロノリが一時的に出現するのみで、それ以外の時期にはほとんど海藻類が出現しない磯焼け状態となっていた。 また、来年度以降の調査地として検討している唐津市沿岸海域についても、受入研究者らとともにマルチビーム測深調査を実施し、海底地形情報を取得した。潜水調査を行い、調査地として温帯性の大型海藻類であるアラメやクロメが残る七ツ釜と暖流の影響を強く受け、造礁サンゴ類が進出しつつある馬渡島南部を調査地点として選定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
姫島南部の投石帯においては高解像度の3次元地形モデルを構築することができ、海藻植生の分布調査もでき、地形モデル上に出現種の情報を重ねる作業を進めることができている。海藻類各種の生育に適した立地条件を解析するために必要な、地形条件を計算するプログラムの構築も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
姫島海域では、投石上の海藻植生を撮影しており、投石上における海藻類の出現パターンを地形図上に可視化する作業を進めている。どのような条件で海藻類の着生量が多いかを地形条件や周辺底質に関するデータを用いて詳細に解析する予定である。唐津市沿岸域で選定した数地点においても、今夏には潜水作業によって海底地形の写真測量および出現生物の撮影調査を行い、どのような種の海藻類がどのような地形条件に出現するかを調査する。
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Research Products
(3 results)