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2022 Fiscal Year Annual Research Report

ACE2のユビキチン化を介したコロナウイルス感染機構の解明と創薬への挑戦

Research Project

Project/Area Number 22J00108
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

岡元 拓海  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 特別研究員(PD)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2025-03-31
KeywordsCOVID-19 / SARS-CoV-2 / ACE2 / ユビキチン / エンドサイトーシス
Outline of Annual Research Achievements

SARS-CoV-2の細胞内への侵入には、SARSの原因ウイルスと同様にACE2に結合し、エンドサイトーシスにより取り込まれ、エンドソームのような酸性環境下で活性化することが必要である。しかし、ウイルス感染時におけるACE2のエンドサイトーシス制御の詳細は解明されていない。受容体などの膜タンパク質は、エンドサイトーシスによって活性や分解が制御されているが、その鍵となるのがユビキチン化であることから、本研究では、ウイルス感染時のACE2に対してユビキチン化を促進するE3と抑制するDUBを同定することで、SARS-CoV-2の感染機構を明らかにし、コロナウイルスに共通した作用機序の抗ウイルス薬の開発に挑戦する。そこで、ウイルス感染時のACE2に対するE3、DUBの同定のため、ビオチンリガーゼAPEX2を融合したACE2の発現細胞の樹立を行った。また、同定したE3やDUBを標的とした治療薬探索のためのスクリーニングを行うのに必要なスパイクタンパク質を十分量準備するため、スパイクタンパク質の精製法の検討を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

スパイクタンパク質のN末端にインフルエンザウイルスHAのシグナル配列を、C末端に分泌されたタンパク質をProtein Gで回収するためにIgGのFc領域を融合したコンストラクトを用い、これをHEK293細胞に安定的に発現させ、培地上清中のSタンパク質を精製・濃縮を行った。通常、HEK293細胞はD-MEM (high-glucose) 培地で培養しているが、精製時はHEK293細胞用に開発された完全合成培地 (無血清) であるHE100培地を用いた。HE100培地で48時間培養した後、培地上清を回収した。1 mlのProtein Gカラムを用いた精製によってスパイクタンパク質が精製できることを確認した。そこで、培養スケールを上げ、5 mlのProtein Gカラムで一度精製した後、1 mlカラムで再度精製することで、容易に精製Sタンパク質の量を増やし、濃縮できることを確認した。また、APEX2を融合したACE2発現細胞も構築し、ACE2の近傍たんぱく質の同定を質量分析により行い、候補を絞り込んだ。ただ、検出されたものが少なく、精製法などの改善の余地はあるため現在検討中である。同時に、現段階で同定した候補タンパク質についても検証を進めており、研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

ウイルス感染時のACE2に対するE3、DUBの同定を引き続き行う。以前、質量分析を行っていた時と機器等が変わっているため、サンプルの調整法などを検討する。ACE2の近傍タンパク質として同定したE3やDUBについて、ノックダウンおよびノックアウトにより発現を抑制することで、スパイクタンパク質が誘導するACE2のエンドサイトーシスへの関与を免疫染色により調べる。エンドサイトーシスに関係するものについては、ACE2との結合やACE2のユビキチン化を検証する。ユビキチン化の検証の際は、酵素の活性をなくした変異体を作製し、野生型との比較も行う。また、ユビキチン化が確認できたものにおいてはユビキチン化様式(K48鎖やK63鎖など)の検討も行う。さらに、コロナウイルスの感染を阻害する薬物を同定するため、ACE2のエンドサイトーシスの阻害を指標に薬物を同定する。そのために、ハイスループット・ハイコンテンツイメージングシステム(Opera Phenix)を用いて、ACE2タンパク質を蛍光タンパク質で標識し、形質膜から細胞内への局在変化の割合を計測するスクリーニング系を構築する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2023 2022

All Presentation (8 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] SARS-CoV-2スパイクタンパク質が誘導するACE2のユビキチン化によるエンドサイトーシスと分解機構の解析2023

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      日本薬学会 第143年会
  • [Presentation] 高浸透圧ストレス誘導性ユビキチンリガーゼRNF183によるイオントランスポーター制御の解析2022

    • Author(s)
      岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第15回小胞体ストレス研究会
  • [Presentation] 高浸透圧適応における腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183の機能解析2022

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2022
  • [Presentation] mRNAワクチンへの応用へ向けた分泌効率の良いシグナルペプチドの同定2022

    • Author(s)
      皆川直樹、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      次世代を担う若手のための創薬・医療薬理シンポジウム2022
  • [Presentation] 腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183によるイオントランスポーターNKCC1の分解機構2022

    • Author(s)
      東優稀、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第95回日本生化学会大会
  • [Presentation] SARS-CoV-2受容体ACE2のユビキチン化によるエンドサイトーシスと分解機構の解析2022

    • Author(s)
      末長弘基、岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第39回日本薬学会九州山口支部大会
  • [Presentation] mRNAワクチンへの応用へ向けた分泌効率の良いシグナルペプチドの同定2022

    • Author(s)
      皆川直樹、平田悠朗、金子雅幸、岡元拓海
    • Organizer
      第96回日本薬理学会年会
  • [Presentation] 腎臓特異的ユビキチンリガーゼRNF183の機能および疾患との関連性の解析2022

    • Author(s)
      岡元拓海、金子雅幸
    • Organizer
      第96回日本薬理学会年会
    • Invited

URL: 

Published: 2023-12-25  

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