2023 Fiscal Year Annual Research Report
選択的音楽聴取を実現するリアルタイム音源分離とその応用
Project/Area Number |
22KJ2548
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
中嶋 大志 東京都立大学, 大学院システムデザイン研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 音響信号処理 / 音声信号処理 / ブラインド音源分離 / リアルタイム音源分離 / 独立ベクトル分析 / オンライン独立ベクトル分析 / 独立低ランク行列分析 / 音場補間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では音楽信号の選択的な聴取の実現を目指して,高精度かつ低演算量なブラインド音源分離手法の開発に取り組んでいる.ブラインド音源分離はスマートフォンにおける音声認識機能や補聴器の性能向上などに応用されており,音楽信号の選択的な聴取が可能になれば,音楽のリミックスや自動採譜などさらなる応用が期待される. 2023 年度は前年度からの継続として,音源追跡と称する,1個の音源だけが移動する状況でオンライン音源分離を行う問題について効率的な手法を検討した.音源追跡に対して, online source steering と称する高速なパラメータ更新方法を導出し,演算量のオーダーを理論限界まで削減することに成功した.この内容は,信号処理分野のトップ国際会議である ICASSP に採択され, 2023 年 6 月にギリシャにてポスター発表を行い,さらに Top 3% Paper Recognitions の受賞にも至った. なお本成果は指導教員の小野順貴教授が研究代表者を務める JSPS 科研費の助成も部分的に受け, NTT コミュニケーション科学基礎研究所との共同研究の一環として取り組んだものである. また,前年度に採択されていた,独立低ランク行列分析におけるパラメータ更新の反復適用による分離性能向上に関するジャーナル論文が出版された.次に,マイクロホンアレイの移動に頑健な音源分離の研究に取り組み,音場補間とオンライン音源分離を組み合わせることにより,円状マイクロホンアレイが回転しても頑健にオンライン音源分離を行う手法を提案した.この成果は 2024 年 2 月に APSIPA Transactions on Signal and Information Processing に採択された.
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