2021 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間相互作用を可視化することで心臓線維芽細胞の活性調節機構を時空間的に解明する
Project/Area Number |
21J01583
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 達之 自治医科大学, 分子病態治療研究センター, 特別研究員(CPD)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2026-03-31
|
Keywords | 心不全 / 心臓線維化 / 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢化や食生活の欧米化・心筋梗塞の治療方法の発展などに伴い、近年心不全(心臓の収縮・拡張機能が低下する病態)の患者数は激増しており、循環器病領域での大きな問題となっている。本研究では、その心不全の新たな治療薬開発を目指して、心臓線維芽細胞の活性制御機構の解明を行なっている。 本年度はまず、心臓線維芽細胞の活性調節機構を明らかにするため、マウスを用いて心臓の線維化を誘導するin vivo(生体内)モデルと、培養皿上で心臓線維芽細胞を活性化させるin vitroのモデルをそれぞれ樹立した。現在、これらのモデルを用いて、細胞間相互作用がどの様に線維化を制御するのか、継続して研究を進めている。これらの心臓線維化モデルは、今後の研究の礎となる、重要な実績の一つである。 また上記研究の経過中、間質の細胞と血管内皮細胞の相互作用についても、思いがけず新たな知見を得ることができた。現在はまだ予備的な知見の段階であり、今後はさらに詳細に検討して、結果を確認する必要があるが、確認されれば当初の予想を上回る研究結果である。令和4年度以降は、線維芽細胞の活性制御機構についてさらに追求するとともに、血管内皮細胞やそのほかの間質に分布する細胞においても、細胞間相互作用と細胞の機能の関連について、探求する予定である。 本研究の結果の一部については、2021年9月17-19日に開催された第69回心臓病学会学術集会のYIAセッションで発表し、YIA優秀賞を受賞した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は予期していなかった思いがけない知見が得られ、当初の想定よりも大きく研究が広がっていく可能性があるため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に則って研究を進めるとともに、予期しなかった興味深い結果に関しても、並行して探究を進めていく。これらを並行して進めることは、当初の研究課題をさらに大きく発展させることにつながると考えている。
|