2022 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間相互作用を可視化することで心臓線維芽細胞の活性調節機構を時空間的に解明する
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21J01583
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 達之 自治医科大学, 分子病態治療研究センター, 特別研究員(CPD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2026-03-31
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Keywords | 心不全 / 線維化 / 細胞間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全は、心臓の収縮または拡張の機能が低下する致死的疾患である。現代では、高齢化などに伴い心不全患者の数が増加しており、心不全パンデミックの時代が到来している。本研究計画では、心臓に存在する線維芽細胞と周囲の細胞の細胞間相互作用を可視化することにより、心不全をはじめとする心臓病の病態を解明し、新たな治療薬を開発することを目指している。 2021年度までの研究で、間質に分布する線維芽細胞のみならず、マクロファージやT細胞などの免疫細胞と血管内皮細胞の相互作用について新たな知見を得た。2022年度はこの知見を大きく拡張し、心臓のみならず全身諸臓器における細胞間相互作用にも着目して研究を進めた。また2022年度からは特別研究員CPDとして米国ボストンへ主要渡航も開始し、新たな知見と技術も取り入れて研究を進めることができている。 今年度は、未だ予備的ではあるが、免疫細胞とその周囲の細胞の細胞間相互作用が、臓器のホメオスタシス維持に重要な役割を果たしている知見を得ている。更には、免疫細胞同士が全身諸臓器で相互作用している知見も得られている。これらの知見をさらに大きく発展させるため、今年度は心臓に加えて、肝臓や肺などに標的を広げ、免疫細胞とその周囲に分布する細胞の相互作用の解析を進めた。2023年はこれらの予備的知見を拡張し、細胞間相互作用の単なる可視化のみにとどまらず、その機能的意義についてもより研究を深めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初心臓に標的を絞った計画を立案していたが、全身諸臓器においても同様の知見が得られ、研究が大きく広がる可能性を見出しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度までで得られた知見をもとに、心臓のみならず全身諸臓器における解析を進め、より統合的な理解を目指す。
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