2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21J00886
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyorin University |
Research Fellow |
池田 悠稀 杏林大学, 保健学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | ミラーシステム / 脳波 / fMRI / ニューロフィードバック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、動作の観察時のニューロフィードバックがミラーシステム(動作観察時に賦活する脳の運動関連領野)の状態にどのように影響するか、脳波とfMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて活動脳領域の変化を調べる。また、運動学習時にミラーシステムの状態を脳波指標を用いてフィードバックすることで、学習が促進されるか調べる。 2022年度は、前年度から実施している脳波とfMRIの同時計測実験を継続し、ニューロフィードバックの指標とする脳波のμ波律動の基礎的なデータを収集の収集を行った。被験者には脳波電極を装着した後、MR装置内で手の動作の動画を呈示した。手の動画は事前収録した被験者自身の動作と、他者の動作を混ぜた状態でランダムに呈示した。被験者は動画内の記号指示に従い、イメージしながらの観察と単純に観察をランダムに行った。また、動画観察時の活動を計測した後に、実際に動作を行う際の脳活動も記録した。計測が完了した被験者12名のfMRIデータの解析結果から、イメージの有無にかかわらず、動作の観察時には感覚-運動の統合に関わる複数の脳領域の活動が認められた。また、観察した動作から感じる不安定さの得点と左島皮質前部の間に正の相関がみられるなど、動画の印象評価と脳領域の活動との間に複数の相関関係が認められた。一方で、同時に計測した脳波に関しては、fMRI由来のノイズや仰臥位で動作を行わせたことによる体動ノイズの問題もあり、fMRIの結果と照合するためのデータを十分に収集することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
計測環境のノイズに関する問題が生じたため、データを十分に取得することができなかった。また、実験デザインの見直しを行ったため、全体の進捗としては遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
fMRIとの同時計測による脳波のアーチファクト対策について、環境構築と解析段階でのノイズ除去の両観点から進める。また、脳波とfMRIそれぞれ単体で計測するなど、当初の計画に近い実験の代替案についても検討する。
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