2023 Fiscal Year Research-status Report
膠原病合併間質性肺疾患における肺局所リンパ球の免疫制御機構の解明
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22KJ2730
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中澤 真帆 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 特発性炎症性筋疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
間質性肺疾患は関節リウマチや特発性炎症性筋疾患等、自己免疫性疾患に高率に合併し予後不良な病態にもかかわらず、確立された治療法はなく病態は不明である。申請者は以前、膠原病合併間質性肺疾患における肺局所の免疫細胞の表現型を詳細に解析し報告した。その結果からcoinhibitory分子陽性T細胞は抗原特異的に機能し、抗原特異的B細胞の自己反応性抗体産生に関与している可能性が考えられた。そこで膠原病合併間質性肺疾患において、高い間質性肺疾患合併率が報告されている抗Jo-1抗体陽性特発性炎症性筋疾患合併間質性肺疾患に着目し、自己反応性抗原特異的B細胞の特徴の解明を目的とした。 本年度は、引き続き抗Jo-1抗体特発性炎症性筋疾患患者の末梢血中における抗原特異的B細胞の同定を目指した。抗Jo-1抗体の対応抗原はヒスチジルtRNA合成酵素であることが報告されている。そこで、ビオチン化したヒスチジルtRNA合成酵素を作成し、蛍光標識ストレプトアビジンと反応させることで蛍光標識ヒスチジルtRNA合成酵素4量体を作成した。末梢血から末梢血単核細胞を単離し、B細胞を濃縮した検体を用いて、患者末梢血中のヒスチジルtRNA合成酵素結合B細胞の検出を目指した。同時にスペクトラルフローサイトメトリーを用いて、抗Jo-1抗体陽性特発性炎症性筋疾患患者の末梢B細胞の免疫表現型解析と血清中の液性因子を詳細に解析し、病態に関わる免疫学的因子を抽出することを目指した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗Jo-1抗体陽性特発性炎症性筋疾患患者の末梢B細胞の免疫表現型解析と血清中の液性因子のプロファイルについて解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
抗Jo-1抗体陽性特発性炎症性筋疾患における、抗原特異的B細胞を同定し、詳細な免疫表現型解析及びトランスクリプトーム解析によりその細胞群の特徴を明らかにし、抗原特異的B細胞に対する新規治療標的分子の解明を目指す。 まず抗Jo-1抗体IIM患者の末梢血中における抗原特異的B細胞の同定を目指す。同定に成功した後、スペクトラルフローサイトメトリーを用いた詳細な免疫表現型解析、及びscRNA-seqを用いたトランスクリプトーム解析を行いそれらの結果を統合することで末梢血中の抗原特異的B細胞の特徴を明らかにする。上記の方法が確立された後は、特発性炎症性筋疾患において高頻度に障害される肺や筋肉や皮膚など組織における抗原特異的B細胞へ応用する。
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Causes of Carryover |
予定していた学会へ都合により参加できなかったため。次年度は、積極的に学会へ参加する予定である。
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