2023 Fiscal Year Research-status Report
教皇の世俗支配をめぐる社会運動とリソルジメント:19世紀ニューヨークの事例から
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22KJ2832
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
林 孝洋 日本女子大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | リソルジメント / 亡命 / 社会史 / イタリア史 / アメリカ史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続きアメリカ合衆国における亡命者の生活世界を社会史的アプローチから考究した。まず、昨年度の研究成果に基づく研究会/学会報告を行った。本課題はイタリア半島とアメリカ合衆国の交流史的側面もあるため、2023年5月14日に関西アメリカ史研究会において「イタリア共和主義と合衆国に関する二つの「知識」 ―アメリカを学び、経験する亡命者たち― 」と題する報告を行い、アメリカ史の研究者から貴重なご意見をいただいた。その意見を踏まえながら修正し、亡命というより大きな歴史学的テーマと接合した報告、「亡命を生きるパトリオット ―リソルジメント期におけるイタリア系亡命者の生活世界と政治活動― 」を、同年5月21日、第73回日本西洋史学会にて行った。 以上の報告を踏まえて発見した新たな課題に答えるため、同年11月から一か月間ローマのリソルジメント博物館で在外研究を実施し、史料調査を行った。昨年度に続き、亡命者に関する史料を網羅的に調査し、亡命者の生活世界を立体的に再構築することができた。この史料調査の成果を上記の報告に有機的に結び付け、2024年3月18日に第4回甲南大学西洋史研究会で報告を行った。 以上の研究により、イタリア系亡命者がアメリカ合衆国においていかに働き、いかに暮らし、いかに政治活動を実施したのかという問いに答えることが叶った。現在、この成果を論文として公表することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二年間の研究で、報告、史料調査を順調に実施できている。しかしながら、論文としての公表が遅れているため、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、二年間の成果を論文化し公表することを目標に設定する。同時に実証の不足部分を補うため、史料調査も実施する。
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Causes of Carryover |
73917円の次年度使用額は、予定していた国内調査(一橋大学図書館所蔵のリソルジメント関連文献調査)を実施しなかったために生じた。次年度の実施にこの費用を使用する。
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