2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヘテロ接合界面を有するタンデム型太陽電池のバンド構造を考慮した透明導電膜の開発
Project/Area Number |
22J13507
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
西原 達平 明治大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2) (90985144)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 太陽電池 / 透明導電膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボトムセルに結晶Si太陽電池を用いたペロブスカイト/結晶Siタンデム太陽電池の中間層用透明導電膜(Transparent Conductive Oxide film: TCO)にZrをドープしたIn2O3(IZrO)の検討を行った。光学シミュレーションを行った結果、中間層に適切な膜厚は20 nmと従来の太陽電池に用いるTCOの膜厚である110 nmに対して薄膜であることが明らかとなった。そのため、設定膜厚を20 nmとし、酸素流量やスパッタリング圧力を変化させ、近赤外領域での高透過率かつ低抵抗なIZrOの作製を行った。様々な条件で成膜を行ったところ、近赤外領域で95%を超える透過率を有しつつ、キャリア移動度22.5 cm2/Vsを超えるIZrOの作製に成功した。さらに、Zrは熱処理によるTCO中の酸素欠損を抑制する目的であったため、熱処理前後でのインジウム、酸素、ジルコニウムの元素濃度を比較したところ、酸素含有量が概ね一定値であり、Zrのドープによる酸素抜けの抑制に成功した。さらに、ZrはInとイオン半径が近いため、作製したIZrOの歪の抑制の評価を行ったところ、作製したIZrOは粉体のIn2O3と格子定数が一致することが確認できた。今後は、中間層にIZrOを用いたペロブスカイト/結晶Siタンデム太陽電池の作製に取り組む予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
適当な薄膜作製に時間を要したため、バンドアライメント評価には未着手である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、タンデム太陽電池の作製と並行し、バンドアライメント評価に取り組む。
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