2022 Fiscal Year Annual Research Report
近代日本の学校文化史―集合的アイデンティティ形成における校歌の役割
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21J00406
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
須田 珠生 立教大学, 文学部, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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| Keywords | 校歌 / 旧制中学校 / 高等女学校 / 新制高等学校 / 文部省図書局 / 校歌の認可 |
| Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、主に次の2つの課題に取り組み、研究を進めた。 第一は、戦後の教育制度改革期における校歌のありようについてである。前年度の研究を土台として範囲を広げ、旧制中等学校から新制高等学校への移行に伴い、学校文化のひとつである校歌をめぐっていかなる動きがあったのかを検討した。具体的には、1948年4月に北海道内に誕生した高等学校139校のうち、1947年度末時点で道立旧制中学校または道立高等女学校であり、なおかつ1948年4月より道立普通科高校となった計54校について、国立国会図書館、北海道立図書館などの公共図書館、各高等学校において史料調査を実施した。その結果、旧制中学校と高等女学校を統合し、男女共学の新制高校となった場合、前身校の設置主体の如何に基づく学校間の序列意識が、校歌の制定にも少なからず影響を及ぼしていたことが明らかとなった。高校三原則の一つである男女共学の実施にあたり、校歌制定の際にジェンダーや学校の格差意識が作用していたことについて、今後、論文化を予定している。 第二は、明治期から昭和戦前期までの期間に文部省が公布した法令に着目し、学校でうたう歌曲に対していかなる制限がかけられていたのか、法令に関する業務を文部省内のどの部署が担っていたのかを明らかにした。その結果、各学校から申請された校歌の楽譜の審査に関しては外部に委託していた可能性も考えられるものの、審査結果のとりまとめや申請校との文書のやりとりに関しては、文部省内の大臣官房図書課(~1911年5月)、図書局(~1913年6月)、普通学務局(~1916年6月)、大臣官房図書課(~1920年4月)、図書局(~1943年11月)、国民教育局において業務が担われていたこと、くわえて歌曲の認可件数の増加と連動して、とりわけ1930年代後半以降は図書局の人員数も増加していったことが明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、国立国会図書館や地方公共図書館にて、史料調査・史料収集を行ない、次年度の研究を進展させていく上で土台となる作業を進めることができた。くわえて、「文部省による歌曲への制限と認可 ―学校でうたえた歌とは」(『JunCture 超域的日本文化研究』第14号、2023年、22-37頁)を執筆し、学校でうたわれる校歌が、文部省、ひいては国家とどのような関係にあったのかを検討した。以上のことから、本研究課題は順調に進展していると考える。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は、令和3年度、並びに令和4年度に収集した文献・史料の整理を行なうとともに、必要性を認識した補完的な史料調査を実施する。さらに、郷土意識を醸成する歌である郷歌や県民歌、新民謡、あるいは、団結力を固くする機能をもつ歌である寮歌や応援歌、社歌といった校歌以外の第二次集団の歌にも関心を広げ、校歌がこれらの第二次集団の歌のなかにどのように位置づくのか、相対的な関係を検討していきたい。
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