2022 Fiscal Year Annual Research Report
米軍占領期東アジアのラジオドキュメンタリー比較研究-音声と番組指導に着目して
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22J00167
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Research Fellow |
松本 章伸 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2027-03-31
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Keywords | 米軍占領期 / メディア政策 / メディア史 / 番組制作 / ラジオ / ドキュメンタリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本該当年度において、以下の2点について注力し、それぞれの成果を得ることができた。 (1)国内外の調査施設等にて以下2点の資料調査に取り組んだ。①米軍占領期下の日本本、沖縄におけるメディア政策に関する米軍占領期関係資料の調査、②米軍占領期の日本本本土、沖縄にてメディア政策を担った放送従事者の資料調査と、遺族への聞き取り調査を行った。今後も継続して取り組んでいく必要はあるが、米軍占領関係資料、放送従事者のエゴドキュメントなど、事前調査時の想定を上回る資料を収集することができた。同時代に行われていた放送政策について実証的に検証するための資料を収集することができた。 (2)学際的な研究会や研究会において、以下3点について、研究発表を行った。①これまでの研究成果と、それらを土台として特別研究員PD(2022年〜)の研究課題へと発展させていくための方法と課題について、②特別研究員PD(2022年〜)の研究課題を遂行していくための計画と課題、直近の成果について、③本研究課題に取り組む上で、参考となる知見を得ることができる研究についての3点である。各会を通じて、多様な視座や指摘を受けることができた。特に本研究課題は、従来取り組んできた(特別研究員DC2)の検討範囲を広げ東アジアに広げ、沖縄、南朝鮮における同時代の比較研究を掲げている。研究会での発表は、新たな知見を得る機会となり、再検討を必要とする事案についても明確になり、今後の調査活動への指針を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次の 2 点について注力する研究実施計画をたて、計画通り実施することができた。 (1)米軍が各地域で行ったメディア政策の特徴を明らかにするために、日本放送協会(日 本本土)、「琉球の声」放送局(沖縄)での放送関係資料と、占領関係資料調査を実施した。 米軍占領下の南朝鮮の同関連資料についても調査を行う計画にしていたが、国際競争力強化研究員(CPD)として採択(2022年10月)されたため、南朝鮮における調査は、主要渡航期間中に実施するように変更した。 (2)本研究の構想と、日本本土に関する調査成果を学会等で発表する計画を立てており、「研究実績の概要」の通り、多様な発表を場を通じて、2 年目以降の課題に取り掛かることができるようなアドバイスを得ることができた。本研究課題を遂行するための基盤を構築するための年にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年10月以降、日本学術振興会国際競争力強化研究員(CPD)として採用され、本研究課題を遂行するために、海外にて研究活動を行う機会を得た。したがって、今後は以下の2点に注力する計画である。 ①国際競争力強化研究員としての主要渡航期間が開始する前に、日本本土と沖縄での資料調査および聞き取り調査を実施する。②主要渡航先において受け入れ研究機関と受け入れ研究者との連絡を密にし、本課題を遂行することができるように万全の準備を進める。
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