2023 Fiscal Year Annual Research Report
Probe of Fundamental Physics with Numerical Study of Black Hole Formation using the Boltzmann Neutrino Transport
Project/Area Number |
22KJ2915
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤穗 龍一郎 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 重力崩壊型超新星爆発 / ニュートリノ |
Outline of Annual Research Achievements |
第一に、原始中性子星への質量降着がニュートリノ放射に及ぼす影響を調査した。申請者が中心となって開発した一般相対論的ボルツマン輻射流体コードを用いて、冷え切ったした中性子星への質量降着とニュートリノ放射を計算した。中性子星表面付近に降着衝撃波が形成、そしてその内側に温度ピークが形成し、ニュートリノ放出源となることを示した。質量降着を起源とする放射は原始中性子星からの熱的放射とは異なるスペクトルを持つことがわかり、実際のニュートリノ観測が得られれば質量降着率に制限をつけることが可能であることを示した。また、電子型ニュートリノ放射が重レプトン型より卓越していることから質量階層性へ制限をつけられる可能性を示した。得られた結果をまとめて国際論文誌で発表した。 第二に、超新星爆発におけるニュートリノ集団振動の発生について調査した。ボルツマン輻射流体コードによる超新星爆発計算の結果を用いて、事後的にfast flavor instability (FFI) とcollisional flavor instability (CFI)の発生について解析を行なった。集団振動の発生条件は運動量空間分布に依存するため、先行研究のような近似的ニュートリノ輸送を用いた計算とは異なり無矛盾な手法による調査である。FFIとCFI両方の発生が認められ、どちらもダイナミクスに影響を及ぼす可能性のあるほどの高さの成長率を持つことがわかった。得られた結果をまとめて国際論文誌で発表した。
|