2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of porous inorganic frameworks with controlled structure of metal active sites by the building block method.
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22J22262
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
疋野 拓也 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 多孔質触媒 / かご型シロキサン / ビルディングブロック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、かご型シロキサンなどのシロキサン系ビルディングブロックから、金属活性点が制御された多孔質触媒の合成を行い、触媒活性を含む性質調査を行うことで、触媒活性向上に向けた無機多孔体の構築を目指している。 令和4年度は、金属種としてルイス酸点となるTi、Snおよびブレンステッド酸点となるAlに着目して、架橋反応および多孔体構築のための条件検討を実施した。用いた反応はSiOH基と金属アルコキシドまたは、金属塩化物、アルキル金属を用いた。また、ビルディングブロックとして、ジメチルシラノール基が修飾されたかご型シロキサン(Q8D8)だけではなく、ジイソプロピルシラノール基が修飾されたかご型シロキサン(Q8D8)、およびかご型シロキサンより小さなビルディングブロックとなりうるテトラキスジメチルシラノールシラン(QD4)を用いた。金属活性点の環境を詳細に調査するモデル分子として、二核金属種を有するPOSSの合成を行った。Ti-O-Ti結合の架橋の証明のために 17 OラベルされたH 2 Oを用い、17O NMRにより架橋部の存在を明らかにした。また、令和4年10月~令和5年1月にスイスETH Zurich、Niederberger教授の研究室にて、訪問研究員として研究を実施した。金属酸化物ナノ粒子の非水ゾルゲル法による合成、金属酸化物ナノ粒子の集積によるエアロゲルの作製を基盤として、エアロゲル表面への還元性官能基(Si-H基)を有するシロキサン種の修飾および金属担持、触媒反応への応用を行った。また、エアロゲル内部でのゼオライトナノ粒子合成により、ナノ粒子がエアロゲルを分散媒として、高度に分散した材料の作製に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
かご型シロキサンなどのシロキサン系ビルディングブロックを用いた架橋金属種の検討およびその多孔体構築のための条件検討などを実施できた。また、金属環境が孤立単一金属種以外の二核金属種についても合成を達成ができた。さらに、訪問研究先にて、非水ゾルゲル法による金属酸化物エアロゲルの合成法を習得し、今後の研究展開に生かせる段階に来た。このような結果から本研究は順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
金属種の種類の拡大および結晶性材料合成のための合成手法の開発、さらに多孔性の展開、具体的には界面活性剤などを用いたメソ細孔の導入などを検討する。加えて、令和4年度のスイスETH Zurichで習得した技術をもとに金属酸化物エアロゲルと多孔性無機構造体のハイブリッド材料構築を目指す。
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