2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of Age-dependent Functional Changes in Skeletal Muscle CB1 Receptors by an in Vitro Model of Aging-related Muscle Atrophy
Project/Area Number |
22J22478
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森 一明 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | PDMS / CRISPR/Cas9 / 表面設計 / カンナビノイドCB1受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
①生体適合材料ポリジメチルシロキサン(PDMS)を用いた伸展培養系をもとに骨格筋老化を評価可能なin vitroモデルの構築および、②CRISPR/Cas9システムを用いたカンナビノイドCB1受容体のノックアウト技術の確立を行った。また、in vivoでの骨格筋CB1受容体の機能を研究するためのノウハウを学ぶために、フランスボルドーに渡航し、「Team Endocannabinoids and Neuroadaptation (PI: Giovanni Marsicano)」にて研究滞在をした。①2021年度に確立したPDMSを用いた伸展培養系におけるPDMSの表面設計に関する論文を投稿し、レビューワーのコメントに従い追加実験を行った。追加実験では、伸展培養中におけるPDMS表面からのコラーゲン分子の溶出の評価と、Live Dead Assayを用いた伸展培養後の細胞接着の評価を行った。その結果、設計した表面では従来の方法に比べて、培養中でのコラーゲンの溶出が抑制され、また、伸展培養における細胞接着も向上する結果が得られた。それら結果を踏まえてリバイズした原稿を再投稿したがリジェクトとなってしまったため、現在他の論文誌への投稿を準備中である。上記の結果については、国際学会「32nd Annual Conference of the European Society for Biomaterials」にてポスター発表を行った。②ヒトカンナビノイド受容体をコードするCnr1遺伝子に変異を加えうるsgRNAを同定し、そのsgRNAを用いて神経芽細胞腫SH-SY5YのCnr1遺伝子に変異を加えることに成功した。現在は、その細胞のCB1受容体の欠失および機能障害を評価している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PDMSを用いた表面設計に関する論文を投稿するために行った追試実験に多くの時間を割いたことに加え、フランスに3か月間研究滞在していたことにより、当初予定していたPDMS表面上での筋芽細胞の初代培養に取り組むことができなかった。一方で、CRISPR/Cas9システムを用いた遺伝子変異を行うことができる環境づくりには成功したため、骨格筋カンナビノイドCB1受容体の機能をCB1受容体を欠失した筋芽細胞を用いて検討できる下地ができた。そのため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
確立した表面修飾法によって細胞接着性が向上したPDMS表面において、マウス筋芽細胞の初代培養を行う。用いるマウスの週齢を若齢と老齢の2つを用いて、その表面において老齢マウスの筋芽細胞の初代培養が可能であるのかを確認し、続いて伸展培養を行う。もし、老齢マウスの筋芽細胞の伸展培養が可能であるならば、その細胞の配向性の確認を行い、その後、筋管へ分化させていく。もし可能でなければ、若齢マウスの初代筋芽細胞に対して薬剤投与による老化誘導を行い、老化した初代筋芽細胞にする。その後、同様に伸展培養による配向の制御と、文化誘導を行い老化した筋管を作成する。もし、PDMS上でのマウス筋芽細胞の初代培養が成功しなければ、PDMS上での十分な接着が確認されている筋芽細胞株を用いて、老化した筋管を作成する。これらにより、骨格筋老化培養モデルの作成を試みる。
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