2022 Fiscal Year Annual Research Report
Variations in Venusian atmospheric super-rotation caused by planetary-scale waves and ultraviolet cloud albedo
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21J00351
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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| Research Institution | Kyoto Sangyo University |
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Principal Investigator |
今井 正尭 京都産業大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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| Keywords | 金星 / 大気力学 / 惑星気象 / あかつき / リモートセンシング |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 金星大気スーパーローテーション (SR) 変動要因を解明と, SR 形成機構の全体像理解を目指している. そのために, (A) 惑星波 (Rossby波やKelvin波) の消長が引き起こす紫外アルベドと大気加熱の変動の定量的評価, (B) 惑星波がもつ熱・運動量輸送の定量的評価, (C) 大気加熱の変動が子午面循環 ・熱潮汐波を介して金星 SRに与える影響の定量的評価, を観測データと数値モデルの比較横断的な解析から実施する.
本年度は, 昨年度発見した金星の雲頂高度~70 kmでのRossby波による南北熱輸送について、運動量輸送の上限値とと合わせて定量的な評価をすすめ, 同時に金星探査機「あかつき」の他の時期の観測データ解析を実施した. この観測結果に基づいて, 京都産業大学で開発されたAFES-Venus GCMによる数値実験結果との比較を進めRossby波の3次元構造や時間発展に関する考察を深めている.
また, AFES-Venus GCM を用いて惑星波などの波動の励起と関連すると思われる雲頂高度より下層の~50 kmで見られる大気不安定や特徴的な渦構造に着目した数値実験データの解析を行っている. これによって, 最終的には大気中層から雲頂までの間で, 惑星波や子午面循環の3次元+時間変化に関する理解を深めた. さらに, これらの観測と数値実験を組みあせた金星大気の理解が進んだことで, 現在申請者が主体となって検討・開発を進める将来金星探査計画やFUJIN-2気球望遠鏡による金星観測についても重要な知見を得ることができた.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請者の「あかつき」観測データの解析から, Rossby波が金星運頂にて顕著な極向きの熱輸送の効果を持っていることを初めて明らかになった. AFES-Venus GCMを用いた数値実験研究との相互比較が大きく前進し, 金星雲層内で励起される惑星波の3次元構造とその時間発展に関して観測と非常に整合的な結果が得られるようになったことで, 理論的な考察が大きく進展した.
論文化に向け, 金星雲頂部で見られる短周期擾乱について蓄積された6年分の「あかつき」データから他の観測時期についても精査し, 波動現象の観測的理解を進めることにつながっている.
また、数値実験に関しては, 金星大気中層という不安定の発生領域で準周期的に発生する見られる巨大な渦構造についての数値実験を進め, 金星大気中で発達する不安定と波の3次元+時間変動に関するより普遍的な理解に向けた研究方針を見直す良い研究成果が得られつつある.
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| Strategy for Future Research Activity |
昨年度と今年度で観測データの解析は十分な進捗があった. 今後はAFES-Venus GCM を用た数値実験研究を中心に進める. 惑星波などの波動と子午面循環によって流物質輸送を調べ, 未同定紫外線吸収物質の初期高度分布や時定数をパラメータとした数値的な解析実験を実施する準備を行い, これによって観測で見られた金星雲頂部での紫外線アルベドの時空間変動の再現を試みる. 採取的には, (A) 惑星波 (Rossby波やKelvin波) の消長が引き起こす紫外アルベドと大気加熱の変動の定量的評価, (B) 惑星波がもつ熱・運動量輸送の定量的評価, (C) 大気加熱の変動が子午面循環 ・熱潮汐波を介して金星 SRに与える影響の定量的評価, を観測データと数値モデルの比較横断的な解析から評価する.
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Research Products
(3 results)
