2023 Fiscal Year Annual Research Report
惑星波と紫外雲アルべドが引き起こす金星大気スーパーローテーション変動の解明
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22KJ2987
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今井 正尭 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 金星 / 大気力学 / 惑星気象 / あかつき / リモートセンシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 金星大気スーパーローテーション (SR) 変動要因を解明と, SR 形成機構の全体像理解を目指している. そのために, (A) 惑星波 (Rossby波や Kelvin波) の消長が引き起こす紫外アルベドと大気加熱の変動の定量的評価, (B) 惑星波がもつ熱・運動量輸送の定量的評価, (C) 大気加熱の変動が子午面循環 ・熱潮汐波を介して金星 SRに与える影響の定量的評価, を観測データと数値モデルの比較横断的な解析から実施する. 金星の雲頂高度~70 kmでのRossby波による南北熱輸送について、2017年の観測ケースについて運動量輸送の上限値とと合わせて定量的な評価を継続してすすめ, 同時に金星探査機「あかつき」の他の時期の観測データ解析を実施した. 加えて、2018年の観測ケースで見られたKelvin波の詳細構造について解析を進めた。以上の結果は, 京都産業大学で開発されたAFES-Venus GCMによる数値実験結果との比較し、Rossby波・Kelvin波の3次元構造や時間発展に関する考察を深めた. また, AFES-Venus GCM を用いて惑星波などの波動の励起と関連すると思われる雲頂高度より下層の~50 kmで見られる大気不安定や特徴的な渦構造に着目した数値実験データの解析を実施し, これによって大気中層から雲頂までの間で, 惑星波や子午面循環の3次元+時間変化に関する理解を深めた. さらに, これらの観測と数値実験を組みあせた金星大気の理解が進んだことで, 現在申請者が主体となって検討・開発を進める将来金星探査計画やFUJIN-2気球望遠鏡, 東京大学が建設する6.5-mTAO望遠鏡での将来的な金星観測につながる重要な知見を得た.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Spectroscopic and Imaging Observation of the Venus Atmosphere by a Balloon-Borne Stratospheric Telescope FUJIN-22023
Author(s)
Masataka IMAI, Makoto TAGUCHI, Yasuhiro SHOJI, Toshihiko NAKANO, Yukihiro TAKAHASHI, Mitsuteru SATO, Tatsuharu OHNO, Kyoko TANAKA, Shion MORI, Daisuke KOHNO, Ko HAMAMOTO, Seiko TAKAGI
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Journal Title
Journal of Evolving Space Activities
Volume: 1
Pages: 83, 88
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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