2023 Fiscal Year Annual Research Report
19世紀から20世紀初頭東アジアにおけるアメリカン・ボードの影響
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22KJ2999
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
SO CHIT SHING 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | アメリカン・ボード / 文書宣教 / 教育宣教 / ルーファス・アンダーソン / 日中キリスト教宣教史 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまで収集した「アメリカン・ボード文書」の解読や分析に基づき、アメリカン・ボードの教育宣教と文書宣教の方針と実践について研究を展開した。研究成果は下記のように要約できる。 (1)2023年8月17日に同志社大学人文科学研究所第21期部門研究第3研究で、1840年代中国におけるミッション・スクール設立問題をめぐって、福音宣教に役立つ人材の育成のみに主張している本部の意見および、「文明化」や「西学東漸」に基づいた一般教育に重視している宣教師の意見、という差異を比較し、アメリカン・ボードの教育宣教方針が19世紀後半期日本と中国における教会大学の成立に及ぼした影響を報告した。 (2)2023年11月26日に第7回同志社大学グローバル・スタディーズ学会にて、アメリカン・ボードの文書宣教方針を検討することで、19世紀前半期におけるカントン・ミッションが創設した雑誌『チャイニーズ・リポジトリー』(1832-1851)の存廃問題を再考し、19世紀後半期日本と中国におけるアメリカン・ボード宣教師が創設した宣教雑誌の構成と内容にもたらした影響の可能性について検討した。 (3)2022年度発表した論文「『チャイニーズ・リポジトリー』(1832-1851)の版本問題」は『同志社グローバル・スタディーズ』14(2023)に投稿し、採択された。 (4)本年度の成果、「初期アメリカン・ボードの教育宣教方針の概観(1832-1866)」と「アヘン戦争前の中国語福音書と小冊子の出版目的」(英語)は研究発表として採択され、2024年4月22日に同志社大学と2024年6月6日に香港バプテスト大学で発表する予定である。 当初予定していたアメリカでの現地調査は、近年異様なインフレ率や円安の影響により実現できなかった。本研究は特にハーバード大学やイェール大学図書館でデジタル化した資料を利用し、研究を進めた。
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