2022 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起エキサイプレックス蛍光法を用いた燃料噴霧時空間濃度の計測とモデル化
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22J12731
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
松田 大 同志社大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | Spray combustion / Atomization / Mixture formation / Optical measurement |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで,燃料噴霧の混合気形成過程において,計測の困難さから噴霧の蒸気濃度の定量的な計測はされておらず,実機関での燃焼制御および現象解明に貢献する詳細な計測が求められている. 本研究では,燃料噴霧の濃度計測として定容容器を用いた燃料温度,雰囲気温度,噴霧の衝突壁面の温度を制御できる実験装置系を構築した.噴霧の蒸気濃度分布の定量計測手法は雰囲気が一様な温度場を対象としたものであったが,計測法を改良することで不均一な温度場においても定量的に計測することを可能とした.そして燃料噴射圧力,雰囲気密度を実験パラメータとした噴霧の混合気形成過程の解析を行った. また,噴霧の微粒化特性を解明するために,噴霧の全領域(60 mm×30 mm)を液滴スケール(解像度約1μm/pix)で計測可能な撮影手法における画像解析手法を開発し,従来よりも微小な液滴の計測を実現した.この画像処理手法では,一般的に考慮される撮像レンズ系のみで決定される被写界深度に加えて,被写体形状の影響をうける被写体深度を考慮することで測定空間を固定した高精度な噴霧の粒径分布を解析できる. そして,燃料噴霧の混合気形成過程の予測を目的とした数値シミュレーションコードの開発として,噴霧の噴射過程における分裂モデル(1次分裂モデル)の開発に取り組んでいる.従来の分裂モデルでは気液界面の不安定性による表面波の成長を特定の波長のみ解析されているが,本モデルはノズル内乱流における圧力変化過程,ノズル内乱流の乱れ,液体噴流内部の乱れ,気液界面における表面波の発達過程を乱流の分散特性を考慮してモデルに導入する検討をしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初の計画に比べて,実験装置を早期に完成させたことから2023年度に計画していた実験をすでに実施しており,噴霧分裂モデルの開発も当初の予定よりも高精度なモデルとなっているため当初の計画以上に進展していると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は開発した計測法を種々の条件へ適用しデータを取得した.そして,現象解明に基づき作成した噴霧分裂モデルを開発した.2023年度は得られた実験データから現象の解析と開発した数値モデルの精度検証を行う.
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