2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ3020
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
吉松 覚 帝京大学, 外国語学部, 講師
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 哲学 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はジャック・デリダの講義録『生死』およびジャック・デリダの『メモワール』の翻訳を刊行し、査読論文として「可傷的なものと可塑性」(『メルロ=ポンティ研究』)を公表した。また、当該年度の補助金を繰り越した2023年度の主な研究実績を報告する。口頭発表として、脱構築研究会での口頭発表を四度行なった。①4月に開催されたデリダの『生死』講義の邦訳出版記念のシンポジウム(於・金沢大学)では、翻訳を担当した第4回から第6回の紹介を行なった。②7月に開催されたまたデリダ『メモワール』の邦訳出版記念のワークショップ(於・東京都立大学)では、同じく翻訳と担当した第1部の前半について、デリダにおける喪の問題を、精神分析での喪の作業に対するデリダの理解という観点から論じた。③9月に開催された、東浩紀氏の『存在論的、郵便的』出版25周年を記念したコロキウム(於・専修大学)では、東氏のデリダ読解における、リズムというテーマ系を改めてリズムの哲学に定位し直すことを試みた。④2月に開催された脱構築研究会発足10年のカンファレンス(於・早稲田大学)では、今後の研究の展望として、ミシェル・アンリやアンドレ・グリーンなど同時代の理論家との比較研究の可能性を提示した。また、①のシンポジウムの原稿は、同研究会のジャーナル『Supplements』に掲載されている。加えて、ピーター・サモンによるデリダの評伝『ジャック・デリダ その哲学と人生、出来事ひょっとすると』を共訳し、刊行した。 2021年度からの3年間としては、共訳および分担訳書として6冊(『自閉症者たちは何を考えているのか?』『いま、言葉で息をするために』『生死』『メモワール』『ジャン=リュック・ナンシーの哲学』『ジャック・デリダ その哲学と人生、出来事、ひょっとすると』)、口頭発表を5回、論文を2本(うち1本は査読つき)発表することができた。
|