2022 Fiscal Year Annual Research Report
中東地域におけるイスラームの保守転回と政治介入:サラフィー主義ネットワークの研究
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22J23500
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
米田 優作 立命館大学, 国際関係研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | サラフィー主義 / 現代中東政治(esp. エジプト) / 「アラブの春」以降の政治と宗教 / イスラーム政治思想 / 中東地域研究 / 思想研究 / フィールドワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、当初より計画していた国外での学術調査を実施した。また、本年度中に研究発表を7本(うち国際会議での英語発表2本、ポスター発表1本)を行った。以下にその概略を記す。 2022年9月から10月中旬にかけて、エジプトでの学術調査を行なった。同調査中は、今後研究課題を遂行するうえで主要な研究対象となるサラフィー主義者との信頼構築・ネットワーキングに努め、聞き取り調査を実施したほか、彼らが発信する1次資料の収集を行なった。10月には、現代中東政治研究ネットワークと立命館大学中東・イスラーム研究センター(CMEIS)の主催で開催された、第4回現代中東研究コロキアムに参加し、研究発表を行った。また、同月に開催された、日本オリエント学会第64回年次大会に参加し、研究発表を行った。11月には、科研・基盤B「現代中東における政治と宗教:「アラブの春」以降のムスリム同胞団を事例に」が主体となり、フランスからステファン・ラクロワ氏(パリ政治学院)を招聘、同氏を交えた国際ワークショップにて英語による研究発表を行った。12月には、立命館大学アジア太平洋大学にて開催された国際会議the 20th Asia Pacific Conferenceに参加し、英語による研究発表を行った。また同月には、科研・基盤A「中東諸国民の政策選好と統治の正当性」が主催となり開催された現代中東研究ワークショップに参加し、研究発表を行った。2023年1月には、CMEISほか主催の公開シンポジウム「中東・イスラーム研究の新たな挑戦:コロナ危機を超えて」に参加し、研究発表を行った。同年3月には、科研・学術変革領域A「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」総括班ほか主催で開催された、2022年度イスラーム信頼学全体集会「対立と紛争のなかで、つなぐ」に参加し、ポスター発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初より計画していたエジプトでのフィールド調査を予定通り実施することができた。同調査では、本研究課題を遂行するうえで主要な研究対象となるサラフィー主義者とのネットワーキングを行ったほか、思想解析の核となる1次資料を多数入手することができた。フィールド調査により入手したアラビア語文献資料を用いて原点解析を行い、本研究の分析に役立てた。 また、本年度は合計7本の研究発表を実施し、自身の研究内容の発信に力点を置いて研究活動を行った。その際に、中東地域研究やサラフィー主義研究、イスラーム主義研究に携わる国内外の研究者と積極的に交流することができた。特に、フィールド調査後の11月に参加・研究発表を行った国際ワークショップでは、現代エジプトにおけるサラフィー主義研究における世界的権威である研究者と深く議論する機会に恵まれ、自身の研究を進めるにあたって大いに参考となるアドバイスをいただくことができた。 これらの理由から、本研究は現在まで概ね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、国内学会にて修士論文の研究成果を発表し、本研究にたいするフィードバックを得て研究内容のブラッシュアップに努めた。またエジプトにて博士論文に必要なデータ収集のための予備調査を実施し、現地での聞き取り調査や人的ネットワークの構築に励んだ。 次年度は、博士論文の執筆に向けて研究の構成をより明確にしていくとともに、前年度中に入手したアラビア語1次資料をもとにした思想解析を引き続き進め、その成果を論文および口頭発表として国内外で発信することに努める。また、「従来型の文献調査にとどまらず、フィールド調査を組み合わせて、社会における思想の受容実態、ある思想が形成された政治・社会的文脈、思想が形成された背景にある人的交流、他の思想潮流との関わりなどを動態的に解析・考察する」という本研究の特性上、原典解析と並行して引き続き国外でのフィールド調査を実施する。 研究成果の発表については、まず日本中東学会の第39回年次大会において、現地調査で入手した1次資料の一部を分析した成果を発表する。さらに、英国にて開催される英国中東学会(BRISMES)ほかにて英語による研究発表を行う。また、『日本中東学会年報』をはじめとする学術雑誌に、エジプトのサラフィー主義に関する学術論文の投稿を行う。
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