2023 Fiscal Year Annual Research Report
膜コンタクトサイトから明らかにする新たなゴルジ体―トランスゴルジ網間積荷輸送機構
Project/Area Number |
22KJ3129
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 優太朗 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | シロイヌナズナ / オルガネラ / 膜交通 / トランスゴルジ網 / ゴルジ体 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスゴルジ網(TGN)はゴルジ体から運ばれてきた積荷タンパク質やエンドサイトーシスされた積荷タンパク質を選別し最終目的地へ送り出す重要なオルガネラである。TGNまでの輸送経路である小胞体からゴルジ体、そしてゴルジ体間の積荷タンパク質輸送機構についてはよく研究されており、それらの輸送機構がゴルジ体-TGN間に適用されると考えられているものの、実際にはゴルジ体-TGN間でどのように積荷タンパク質が輸送されているのかについて十分な知見はない。本研究課題の目的は、植物細胞を対象に、細胞生化学的手法とケミカルスクリーニングを駆使し、ゴルジ体とトランスゴルジ網間における積荷タンパク質輸送機構を明らかにすることである。申請者らはこれまでに、大半のTGNがゴルジ体に隣接して存在する一方でゴルジ体とTGNが頻繁に解離する現象を明らかにしてきた。このゴルジ体とTGNの接着・解離により生じるオルガネラ境界面こそが効率的な積荷タンパク質の輸送に重要であるとの仮説のもと、それらを実現する因子の同定とその生理学的役割を明らかにすることが本研究の目的である。 ゴルジ体マーカーとTGNマーカーの局在関係に影響を与える化合物スクリーニングをおこなったが、適切なヒット化合物を得ることはできなかった。細胞生化学的手法として、ゴルジ体あるいはTGNに局在するタンパク質に近位依存性ビオチン標識酵素を融合した植物体を作出し、LC-MS/MS によりプロテオームを比較した。得られたプロテオームからゴルジ体とTGN間で繋留因子として機能すると考えられる解析候補タンパク質群を多数同定した。一部の解析候補タンパク質に蛍光タンパク質を融合して細胞内局在を解析し、それらがゴルジ体とTGNに局在することを確認した。今後はこれら解析候補タンパク質群の異体遺伝学的・生化学的解析を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)