2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞死を指標にしたエドワジエラ属細菌感染に有効な免疫賦活剤選抜法の開発
Project/Area Number |
22KJ3204
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
森本 和月 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 任期付研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞死 / カスパーゼ / エドワジエラ属細菌 / ヒラメ |
Outline of Annual Research Achievements |
エドワジエラ属細菌(Edwardsiella piscicidaおよびE. anguillarum)は、幅広い魚種に感染し、養殖業に甚大な被害を与える。本研究は、エドワジエラ属細菌感染時にどのような種類の細胞死(パイロトーシス、アポトーシスまたはネクロトーシス)が誘導または抑制されているのか、さらにそれらが制御する自然免疫応答について明らかにし、エドワジエラ属細菌感染に対する生体防御機構について解明することを目的として実施した。 2023年度は、前年度から引き続き各種細胞死の制御に関わるシステインプロテアーゼであるカスパーゼファミリー遺伝子をヒラメから探索した。その中でも哺乳類においてアポトーシスおよびネクロトーシスを制御するカスパーゼ8(casp8)に着目し機能解析を行なった。ヒラメcasp8およびヒラメcasp8様分子(casp8-like)の組み換えタンパク質を作製し、加水分解活性を哺乳類の各種カスパーゼに対する合成基質を用いて測定したところ、ヒラメのcasp8およびcasp8-likeは哺乳類のcasp8と同様にZ-IETD-MCAを強く加水分解した。このことから、ヒラメのcasp8およびcasp8-likeは哺乳類casp8と同じく、アポトーシスおよびネクロトーシスを制御する分子である可能性が示された。 さらに、細胞死を誘導する分子の検出法確立にも着手した。ヒラメでもアポトーシスおよびネクロトーシスを誘導すると考えられるTNFαおよびFasLに着目し、エドワジエラ属細菌感染時のこれらの分子を定量的に検出するための抗体作製に用いる免疫原となる組換えタンパク質を哺乳類培養細胞で作製した。現在、作製した組換えタンパク質をマウスに免疫し、定法に従い各分子に対するモノクローナル抗体を作製している。
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