2022 Fiscal Year Annual Research Report
疾患糸球体における蛋白尿・血尿の漏出経路:ボリューム走査電顕を用いた解明
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22J12056
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
宮木 貴之 順天堂大学, 大学院解剖学・生体構造科学講座, 助教
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | ポドサイト / 蛋白尿 / 血尿 / ボリューム電顕 / FIB-SEM / アレイトモグラフィー |
Outline of Annual Research Achievements |
糸球体疾患における蛋白尿漏出経路の実態を明らかにするため、ネフローゼ症候群の病態モデルであるPAN腎症ラット腎臓を集束イオンビーム切削型走査電顕(FIB-SEM)で撮影し、連続断面観察と3D再構築を行った。その結果、蛋白尿漏出経路は①空胞を介してポドサイト内を通過しボウマン腔へ漏出するTranscellular pathwayと②基底膜露出面から漏出するIntercellular pathwayの2種類存在する可能性が見えてきた。さらに、尿管結索(UUO)+PAN腎症ラットを作製し腎臓をFIB-SEMで解析したところ、UUO未施行の腎臓と比較して空胞が減少することから、漏出経路の形成に糸球体濾過圧が関わっている可能性を示した。蛋白尿出現時にはスリット膜は消失し、ポドサイトの突起間はタイトジャンクションによって閉鎖される。そのため蛋白尿出現時には糸球体濾過圧は上昇していると考えられる。従来は、濾過経路はタイトジャンクションで閉鎖されるにもかかわらず、なぜ蛋白尿が漏れるのかよくわかっていなかったが、本研究によって、蛋白尿出現時には糸球体濾過圧が上昇し、空胞形成やポドサイト剥離が促進されて蛋白尿漏出経路が形成される可能性が示唆された。 また、蛋白尿より低密度で存在する血尿の漏出経路の同定には、広範囲の断面観察を行う必要が出てきたため、糸球体丸ごと断面観察が可能なアレイトモグラフィー法の開発も同時に行なった。その結果、腎生検標本中の糸球体全ての断面観察が可能となり、IgA腎症患者の糸球体で赤血球が漏出する瞬間を捉えることに成功した。アレイトモグラフィー法の糸球体丸ごと超微形態解析に関する研究は今年度中に英文雑誌への論文投稿を行う予定である。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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