2022 Fiscal Year Research-status Report
Investigation on characteristics of aurora precipitating electrons by comprehensive space and ground-based observations and numerical experiments in Scandinavia
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22KK0046
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三好 由純 名古屋大学, 宇宙地球環境研究所, 教授 (10377781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 泰信 国立極地研究所, 共同研究推進系, 教授 (00362210)
松田 昇也 金沢大学, 電子情報通信学系, 准教授 (20772213)
淺村 和史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50321568)
齊藤 慎司 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所電磁波伝搬研究センター, 研究員 (60528165)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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Keywords | 脈動オーロラ / 数値シミュレーション / ロケット実験 / 光学観測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脈動オーロラ (PsA)と呼ばれる、数キロ電子ボルト程度のエネルギーの電子が引き起こす数秒ごとに明滅するオーロラ発生時に、宇宙空間から数百キロ電子ボルトから数メガ電子ボルトに至る相対論的高エネルギー電子(EPP)が同時に降りこむという理論の検証を目的とする。本年度は、観測計画の検討と、数値シミュレーションの開発を実施した。観測計画の検討については、LAMP-2ロケット実験の提案書の準備、ならびにスウェーデン側との打合せを実施し、次年度以降の訪問計画についての議論を行った。また、数値シミュレーションについては、波動粒子相互作用によるEPPの計算およびオーロラ発光の計算を行うコードを用いて、プラズマ波動の強度変化がオーロラ発光に及ぼす影響に関してパラメータサーベイを行った。その結果、特定の状況においては、非線形波動粒子相互作用によるphase trappingという事象が発生することで降下電子フラックスの減少が発生し、その結果、PsAの輝度が減光する可能性があることが指摘された。この過程は、プラズマ波動の強度とオーロラの輝度の間においても非線形の関係が出現する可能性があるものを指摘するものであり、LAMP-2ロケット実験や、あらせ衛星と地上との連携観測によっても観測される可能性のあるものであり、今後の観測計画の立案にとって大きな結果を持つものである。また、光学観測の検討も進め、用いるカメラの特性や設置個所についての検討についても実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画に沿って、オーロラ光学観測等と比較するための数値シミュレーションの準備を進め、磁気圏波動粒子相互作用に関するシミュレーションと、電離圏・熱圏における電子輸送シミュレーションの連成計算を開発した。開発したコードを用いて、様々な電子の降り込みの形態に対して、複数波長でのオーロラ発光の体積放射率の高度分布を導出した。さらに地上からのオーロラ光学観測を想定して、視線方向積分に関する計算も行い、脈動オーロラの時間変化を見るのに最適な波長の検討、ならびに複数波長を組み合わせた観測によって降下電子の特徴エネルギーを抽出する手法の開発などを行っている。さらに、現地の観測を進めるため、スウェーデン側との打合せを進めている。特に、ロケット観測時における地上観測点候補地の議論を進め、現地の電源等の情報を収集している。さらに観測機器設置に先立つ現地調査の日程や、現地地差調査の際の確認ポイントの議論を進め、準備を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに稼働する次世代大気レーダーEISCAT_3Dとの同時観測を念頭に、光学観測の準備を進めていく。具体的な光学観測システムの検討、設計を進めるとともに、適切な波長帯の選定も行っていく。特に時間分解能と空間分解能に注意し、EISCAT_3Dとの同時観測の利点を活かせるよう、メソスケール現象の観測に注目しながら検討を進めていく。また、共同研究先であるスウェーデン・王立宇宙科学研究所(IRF)を訪問し、現地での共同研究を進める。特に、上記のオーロラ観測点の設置場所候補について、現地視察も行いながら検討を進め、最適な場所の選定を進めていく。また、開発したシミュレーションの結果をもとに、脈動オーロラを起こす電子を光学観測とEISCAT_3Dの協同観測に関する科学戦略の立案を進めるとともに、LAMP2ロケット実験の際のキャンペーン観測の実現方法、特にCosimic Noise Absorption観測や、中間圏オゾン観測との連携についても議論を行う。
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Causes of Carryover |
共同研究者の所属するスウェーデンへの訪問、ならびに観測機器の導入。
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Research Products
(3 results)
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[Presentation] Relativistic electron microburst is a high-energy tail of pulsating aurora electrons: LAMP sounding rocket experiment and computer simulation2023
Author(s)
Y. Miyoshi, K. Asamura, K. Hosokawa, T. Mitani, T. Namekawa, S. Saito, T. Sakanoi, M. Nose, K. Takahashi, Y. Obayashi , M. Lessard, A. Halford, M. Shumko, N. Paschalidis, M. G. McHarg, A. Jaynes, D. Hampton, V. Ledvina, K. Lynch, and H. Kim
Organizer
Japan Geoscience Union Meeting 2023
Int'l Joint Research