2022 Fiscal Year Research-status Report
Japan-U.S. joint development of online water quality management method to realize highly reliable potable water reuse
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22KK0061
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
藤岡 貴浩 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (20759691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉谷 仁 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (30434468)
竹内 悠 京都大学, 工学研究科, 助教 (70835272)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | オンライン計測 / 再生水 / 飲用再利用 / 膜分離 / 消毒副生成物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、水再生システム内の消毒副生成物(ニトロソジメチルアミンと臭素酸)のオンライン監視を実現し、検出濃度に応じて水再生システムを制御する次世代型の水質管理手法を構築することである。下水の飲用再利用分野において、信頼性の高いオンライン計測を達成するためには、前処理による妨害物質の分離性能を安定して高く維持する必要がある。そこで、2022年度では、臭素酸およびニトロソジメチルアミンのオンライン分析に対して妨害物質除去を最大化する前処理条件を明らかにすることを目指した。まず、臭素酸の前処理に対してはナノろ過膜を用いた前処理によって分析妨害物質の除去を行うが、ナノろ過膜による臭素酸除去できるだけ低減すると共に同時に、分析妨害物質の高い除去率を達成する必要があった。そこで、異なるナノろ過膜3種にそれぞれに対し、膜透過流束・水温・塩濃度を変化させて最も分析妨害物質(フミン様物質)除去率が高く、臭素酸除去率の低い最適な前処理条件を明らかにした。次に、ニトロソジメチルアミンの連続測定のためには、カラムに蓄積し連続測定を妨害する疎水性の化学種を除去する必要があった。そこで2022年度は、ガードカラムを用いたカラムスイッチング法を利用し、親水性のニトロソジメチルアミンを通過させた後、カラムを切り替えることで、ニトロソジメチルアミンより疎水性の高い物質を分析カラムに導入しない前処理系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前処理方法が確立でき、米国における下水中のニトロソジメチルアミンおよび臭素酸のオンライン計測を達成する見込みがたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、2022年度に確立した前処理法をを用い、下水処理水などの実試料の連続分析を行う。また、オゾン処理工程前後のNDMAおよび臭素酸濃度の変動性をオンライン計測で追跡すると共に、流入原水中の前駆体物質の評価を行うことで、消毒副生成物の濃度変動性の原因を明らかにする。
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Causes of Carryover |
2022年度に渡米する予定であった研究者の都合が所属大学の都合(該当研究者のドイツへの長期滞在)で合わなかったため物件費や旅費を次年度に繰越を行った。2023年度には帰国する見込みであることから、2023年度に使用する見込みである。
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