2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of Artificial Photosynthetic Systems towards Fabricating Renewable Energy Cycles
Project/Area Number |
22KK0074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
酒井 健 九州大学, 理学研究院, 教授 (30235105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 弘宜 九州大学, 理学研究院, 准教授 (30572804)
山内 幸正 九州大学, 理学研究院, 助教 (50631769)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2027-03-31
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Keywords | 人工光合成 / 機能性金属錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、光増感剤(Ru-qpy)と酸素生成触媒(Ru(bda)-py)を化学修飾したメソポーラスTiO2電極(酸素生成フォトアノード)、およびCO2還元触媒(CoP-py)を化学修飾したメソポーラスTiO2電極(CO2還元カソード)に関して詳細な研究を行った。 酸素生成フォトアノードと白金電極からなる分子性光電気化学セルは、疑似太陽光照射下において僅かな外部電圧(0.4 V vs. cathode)を印加すると、水の完全分解を促進できることが明らかとなった。その効率(AB-STH conversion efficiency)は、これまでに報告された先行研究と比べて2番目に高い値であったことから、本分子性光電気化学セルは太陽光による水の完全分解を極めて効率良く駆動できることが判明した。また、この触媒機能は3時間にわたって持続することから、既存の分子性光電気化学セルと比べて非常に高い耐久性を示すことも明らかとなった。 一方、CO2還元カソードを用いた水溶液中におけるCO2還元反応においては、-1.25 V vs. SCEの印加電圧下において非常に効率良く合成ガスを生成できることが明らかとなった。この時、CoP-pyはCO2還元反応を駆動してCOを生成し、TiO2は水の還元反応を駆動してH2を生成していることも判明した。また、印加電圧を変化させることによって合成ガス中のCOとH2の生成比を1:1~1:20に制御できることも明らかとなった。触媒機能は2時間後もほとんど失活が見られなかったことから、本CO2還元カソードは非常に高い耐久性を示すことも明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は、おおよそ当初の研究計画の通りに研究が進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、光増感剤(Ru-qpy)と酸素生成触媒(Ru(bda)-py)を化学修飾したメソポーラスTiO2電極(酸素生成フォトアノード)、およびCO2還元触媒(CoP-py)を化学修飾したメソポーラスTiO2電極(CO2還元カソード)に関して、さらに研究を展開していく計画である。 酸素生成フォトアノードにおいては、光照射下においてRu(bda)-pyがTiO2表面から徐々に脱離し、触媒活性が低下してしまうことが判明しているため、光照射下においても脱離が進行しない酸素生成触媒を用いることによって酸素生成フォトアノードの耐久性向上を目指す計画である。また、白金電極の代わりに水素生成触媒を化学修飾したメソポーラスTiO2電極(水素生成カソード)を用いた白金電極フリーの分子性光電気化学セルを用いた太陽光による水の完全分解を目指す計画である。 一方、CO2還元カソードにおいては、より小さな過電圧でCO2還元反応を駆動できるCO2還元触媒の開発を行う計画である。これを用いることによって、水溶液中においても極めて高選択的にCO2還元反応を駆動することができるCO2還元カソードの開発を目指す計画である。さらに、このCO2還元カソードに光増感剤を化学吸着させることによって、水溶液中でのCO2還元反応の光駆動化を目指した研究も展開していく計画である。
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Research Products
(40 results)