2022 Fiscal Year Research-status Report
Systems biology approach on the transmission of asymptomatic malaria infection toward malaria eradication in tropical Africa
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22KK0129
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
金子 明 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (60169563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀谷 渉 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (20782577)
砂原 俊彦 長崎大学, 熱帯医学研究所, 助教 (50264156)
Chan ChimWai 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50844809)
皆川 昇 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (00363432)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | マラリア / 伝播 / 無症候性感染 / システム生物学 / 媒介蚊 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は交付後四ヶ月という短期間であったが、研究計画の根幹を成す前向きコホートの設置を完了させることができた。前向きコホートはケニア・ホマベイ郡のスバ南部地域Ngeri, Nyagwethe villegaのマラリア高度流行地(RDT陽性率30%、PCR陽性率60%前後)に住む325名を対象とした。全年齢層を対象とし、2週間ごとの聞き取り調査、ならびに月1回の血液サンプリングを行うことで、成人で多く観察される無症候性感染から小児を中心にみられる有症例、重症例まで多様な病態の異なる病期の把握を目指す。血液サンプリングは静脈血採血と指頭血採血を交互に行い、乾燥ろ紙血サンプル、顕微鏡スライド、RDT、Hb値、血清、さらに静脈血採血ではPBMCの収集が可能となった。サンプルはすべて、ホマベイ郡病院内の実験室で処理、保管され、次年度以降の解析に供される。あわせて住民の社会経済学的ステータスならびに行動に関するデータが蓄積されている。また、同対象地内において、媒介蚊調査を実施し、高く持続するマラリア伝播には安定した水源とAnopheles stephensiの分布が寄与している可能性が示唆された。媒介蚊の原虫保有率についても現在解析を進めており、衛星データに基づく地理的、環境的因子を加味した解析とあわせてリスク解析を進めていく計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、データを収集するための前向きコホートが設定され、そのデータ、サンプル収集体制が確立されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きコホートによるデータ、サンプル収集を継続し、来年度以降はその解析を順次進めていく。ヒト感染、媒介蚊、環境データを用いた生態疫学的解析はその態勢が整えられている。現状に加えて、媒介蚊誘因因子の解析を行うため、まずはそのサンプル収集と解析体制の整備を来年度の主要な計画目標とする。
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Causes of Carryover |
本年度は、コホートの確立に注力し、媒介蚊誘因因子に関連するデータ収集は次年度以降と計画を変更したため。
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Research Products
(2 results)