2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of an intestinal infection model of pathogens causing Necrotizing Soft Tissue Infection
Project/Area Number |
22KK0289
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
山崎 浩平 北里大学, 獣医学部, 講師 (20836639)
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Project Period (FY) |
2023 – 2024
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Keywords | 食中毒 / 細菌感染症 / 下痢 / 敗血症 / 壊死性軟部組織感染症 / NSTI / 人喰いバクテリア / 劇症感染 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はUniversity of California, DavisのBaumler研究室との国際共同研究により壊死性軟部組織感染症(NSTI)起因菌の一つであるAeromonas hydrophilaの腸管感染モデルの構築とその解析を行う。A. hydrophilaは経口あるいは創傷からヒトの体内に侵入すると、短時間内に増殖するため、感染者が医療機関を受診する時点で既に体内の菌数は相当数に達している。壊死症の発症および重症化を抑えるためには、宿主体内におけるA. hydrophilaの増殖を制御する治療法が必要である。本研究計画は腸管感染モデルを用いて、腸管感染から軟部組織の壊死症へと繋がる病原機構の解明を行っている。申請者はBaumler研究室において、腸管感染モデルの構築に必要なマウスの維持および処置法を習得し、A. hydrophilaの腸管感染の技術基盤を構築した。これらにより、下痢症が認められるA. hydrophilaの腸管感染モデルの構築に成功した。マウスの供給会社(腸内細菌叢に依存)、系統、雌雄の違いによって、A. hydrophilaの定着菌数と排除されるまでの時間が違うことが明らかとなった。また、抗生物質を菌を接種する前に処置することで、定着菌数が増え、排除されるまでの時間が延長することが明らかとなった。さらに、Aeromonasの株によって腸管への定着に違いが認められた。我々は多くの臨床分離株および環境分離株を持つことから、最も定着菌数が多く、体重減少、下痢症、および軟部組織壊死症などの病態が認められる株を選抜する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腸管感染モデルの構築に成功したことから、本研究計画は概ね順調に研究が進展していると考える。より良い腸管感染モデルを構築するために、適切な菌株と感染条件の詳細を決定する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
感染モデルを用いて、腸管への定着と腸管内における増殖機構を解析する。In vivo imaging systemを用いて、腸管で最も増殖が認められる時間と具体的な腸管の部位を明らかにする予定である。下痢症等の病態は組織切片の作製および血液生化学検査を行い解析する。腸管内における増殖に関与する腸内細菌叢および代謝産物をOmics解析により同定する予定である。それらが完了しだい、A. hydrophilaのKO株を作製し、より詳細な解析を行なっていく予定である。
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