2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23220009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
井ノ口 馨 富山大学, 大学院・医学薬学研究部(医学), 教授 (20318827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 大助 北里大学, 医学部, 講師 (10211806)
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Keywords | 記憶 / アップデート / 連合記憶 / シナプスタグ / 海馬 |
Research Abstract |
【1】秒~分~時間間隔の情報: CS記憶を評価する行動実験系にUSとしてimmediate shockを組み合わせ、「CS記憶」と「CS-US連合記憶」を分けて評価する新規行動実験系を確立した。また、Arcプロモーター制御下でGFPを発現するトランスジェニックマウスを上記の実験系に供し、それぞれの記憶に応答する脳領域を検索し、少なくとも扁桃体が恐怖記憶連合に関与することを見出した。また、シナプスタグの分子機構解明のため、シナプス活動による樹状突起からスパイン内へのタンパク質輸送を、スパイン一個で定量的に解析するためFRAP法を導入した。カルシウム依存的な輸送と一酸化窒素依存的なプールが示唆される結果を得た。 【2】日~月間隔の情報:再固定化をシナプスレベルで解析できるin vivo LTP系を開発した。また、神経活動履歴を持つ細胞にのみ組み換えレンチウイルスを特異的に感染できる、活性化神経細胞標的化法の確立を目指した。このシステム構築のため、神経活動依存的にトリ肉腫ウイルス受容体を発現するダブルトランスジェニックマウスを作製するために、c-fos-tTAマウスとTRE-TVAGマウスを、それぞれマウスバンクであるMMRRCと米国オレゴン大学・Cliffrd Kentros博士より譲り受けた。現在、これらのマウスの人工授精による繁殖を行っている。また、高力価組み換えレンチウイルスの作製技術を構築した。この技術の確立は、複数回の経験に対応し活性化した各細胞群の同定とともに、人為的活性制御を可能とする分子の発現誘導により、経験にともない活性化した細胞が真にその経験情報を持つかを検証可能とする。 【3】神経新生を人為的に制御する系を開発した。さらに、場所記憶に関しては「記憶の詳細さ」は、保存されている脳領域に依存しないことを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度であるため、実験系の開発に焦点を絞って研究を進めたが、実験系の開発を成し遂げただけでなく、それらの系を用いていくつかの成果をあげた。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には当初の研究計画通りに推進していく。本年度から、新たに複数の博士研究員が参加したので、より一層の進捗を目指している。
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Research Products
(17 results)