2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞活性化型キメラマトリックスの設計によるES/iPS細胞の機能と分化過程の制御
Project/Area Number |
23220014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 東京工業大学, フロンティア研究機構, 教授 (30101207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀喜 白乙 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特任助教 (20515168)
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Keywords | ES/iPS細胞 / 肝細胞 / 心筋細胞 / E-カドヘリン |
Research Abstract |
申請者らは,マウスES/iPS細胞の単一細胞の培養系としてE-カドヘリンの細胞外ドメインと免疫グロブリン(IgG)のFc領域とを融合したキメラ分子(E-cad-Fc)をコーティングした培養器材を開発している.このE-cad-Fcをコーティングした培養皿上でES/iPS細胞を単一細胞で培養できることを見出している.従来では,マウスES/iPS細胞は集合化したコロニー上で培養されるため,均一な細胞集団として分化誘導などの制御が困難であった。このE-cad-Fcを用いた単一細胞系では,均一な細胞集団として分化誘導が容易に行えることが期待できる.当該年度では,E-cad-Fcを用いた単一細胞系による肝細胞分化誘導を行った.その結果,単一状態での肝細胞誘導は,通常のコロニー上のものと比較して効率的に行えることが明らかになった.また,ES/iPS細胞の効率的な心筋分化誘導も試みた.心筋分化誘導は,wntシグナルを抑制することで効率的に実現できることが明らかになっている.本研究では,wntシグナルを抑制することのできるインスリン様増殖因子結合タンパク質4(IGFBP4)を固定化した培養皿を作製することを検討した.IGFBP4にエラスチン様ペプチド(GVGVP)67を融合することで,培養皿に対して効率的にIGFBP4を固定することに成功した.この(GVGVP)67-IGFBP4を固定化した培養皿上でES細胞を培養したところ,通常の培養の揚合,20%程度の分化であったが,70%程度まで分化誘導を上昇させることに成功した.以上のことから,細胞まな板という概念による培養皿固定型因子を用いることで効率的な分化誘導の実現が可能になった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ES/iPS細胞の分化誘導を効率的に行う培養皿固定型分子の作製が予想通り進んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトiPS細胞の未分化維持培養や分化誘導を検討していく,前年度までマウスES細胞で実現できた未分化維持培養や心筋分化誘導が,ヒトiPS細胞で実現できるかを詳細に検討していく予定である.
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Research Products
(13 results)