2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの潜在力を活用した紛争解決と共生の実現に関する総合的地域研究
Project/Area Number |
23221012
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 至 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (60191938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
高橋 基樹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (30273808)
峯 陽一 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (30257589)
遠藤 貢 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70251311)
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Keywords | アフリカ / 紛争と共生 / ローカルな潜在力 / 国際社会 / 地域研究 / 社会関係の修復 / 在来の知識や制度 / 外来要素と接合 |
Research Abstract |
本研究は、アフリカにおける紛争の解決と共生の実現のために、アフリカ人がみずから創造・蓄積し、運用してきた知識や制度(=潜在力)を解明し、それを活用しつつ社会秩序の構築(=共生)を実現する方途を探究することを目的としている。 初年度である平成23年度には、「全体会議」を京都大学において2ヵ月に一度の割合で開催して、計画の趣旨と目的、具体的な推進方法についての討論、包括的・総合的な研究を推進するための指針の策定、問題意識を共有するための討論を繰り返した。また、研究テーマ別に「政治・国際関係」「経済・開発」「生業・環境」「社会・文化」の4班の研究ユニットを組織するとともに、個別地域の紛争問題を理解するために「北東アフリカ」「東アフリカ」「西アフリカ」「南部アフリカ」の4班の研究クラスターを構成し、それぞれに数度にわたる研究会を開催して、「潜在力」に焦点をあてた具体的な研究の推進方法と役割分担について議論した。また、12月にはナイロビにおいて、南スーダン、エチオピア、ウガンダ、タンザニア、ケニアから10人のアフリカ人研究者・NGO関係者を招へいして、第1回「アフリカ紛争・共生フォーラム」を開催し、紛争の解決と共生のためにアフリカの潜在力がいかに活用できるかを議論した。同時に、本研究の参加者たちは、紛争の実態とその発生機序を解明し、その解決に対して地域社会がもっている基礎的な潜在力を同定するための現地調査を、アフリカ各地で実施した。 広報活動の具体的な方法を検討してホームページをたちあげた。また、情報の交換と共有に資するためのメーリングリストも作成した。紛争解決のためのローカルな知識や制度を集積したデータベース「紛争・共生をめぐるアフリカの潜在力データ・アーカイブ」の骨格を設計し、データ入力を始めた。「国民との科学・技術対話」のために「京都大学アカデミックデイ」に参加し、プロジェクトの概要を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度にあたる平成23年度には、参加者のあいだで研究指針を確定すること、また、アフリカ人研究者に本研究の趣旨を理解してもらい問題意識を共有することをとおして、本研究の実施体制を構築することが最も重要な課題であったが、おおむね実現したものと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究を推進するための重要なエンジンとなる「全体会議」は、2ヵ月に一度の割合で開催を継続するとともに、個々の研究ユニットと研究クラスターによる研究会の実施によってアフリカの潜在力が発揮された事例を具体的に検討する。また、アフリカにおいてアフリカ人の研究者やNGO関係者とともに「フォーラム」を開催して討論を繰り返すことも重要である。このような活動と同時に、アフリカにおいてフィールドワークを実施して、紛争の発生機序を解明しつつ、その解決に対して現地社会がもっている潜在力を同定する。すなわち本研究は、研究会の運営と現地調査の実施による両輪体制で推進する。
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Research Products
(130 results)