2014 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカの潜在力を活用した紛争解決と共生の実現に関する総合的地域研究
Project/Area Number |
23221012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
太田 至 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (60191938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山越 言 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (00314253)
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (00322347)
栗本 英世 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (10192569)
峯 陽一 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (30257589)
高橋 基樹 神戸大学, 国際協力研究科, 教授 (30273808)
池野 旬 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (40293930)
平野 美佐(野元美佐) 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (40402383)
西崎 伸子 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (40431647)
松田 素二 京都大学, 文学研究科, 教授 (50173852)
荒木 美奈子 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 准教授 (60303880)
遠藤 貢 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (70251311)
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部, 助教 (70613579)
重田 眞義 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (80215962)
島田 周平 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90170943)
阿部 利洋 大谷大学, 文学部, 准教授 (90410969)
伊藤 義将 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (60638188)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アフリカ / 紛争と共生 / ローカルな潜在力 / 和解と社会的修復 / 在来の制度や知識 / 国際社会 / 地域研究 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究プロジェクトの4年目にあたる本年度には、とくにアフリカにおける「在来知のインターフェイス機能」の解析を共通テーマとして、以下の具体的な作業をとおして研究を推進した。 1.計4回の「全体会議」を開催して討論をおこない、本研究メンバーのあいだで情報を共有した。「政治・国際関係ユニット」「西アフリカクラスター」のメンバーが、これまでに進めてきた研究成果の一部を全体会議の場で報告し、「アフリカの潜在力」に焦点をあてた議論をおこなった。また、各「研究ユニット」と「研究クラスター」も、個別に数度の研究会を実施した。 2.カメルーン共和国の首都ヤウンデで「第4回アフリカ紛争・共生国際フォーラム」を開催し、「アフリカの潜在力とはなにか」「西部・中部アフリカにおける紛争と共生にみられる特色は何か」に関する議論をおこなった。 3.「国際人類学民族科学連合・中間会議」「日本アフリカ学会学術大会」などでパネルを企画して研究成果を報告して議論を重ねた。また、研究代表者と分担者はアフリカ各地でフィールドワークを実施し、また、若手研究者を選抜してフィールドワークを視点して「アフリカ潜在力」に関する一次資料を収集した。 4.2013年度に京都で実施した国際シンポジウムをもとにして、Conflict Resolution and Coexistence: Realizing African Potentials を出版した。また、研究成果は論文や学会発表などの口頭発表で公表した。和文、英文のホームページの充実をはかり、研究会やフィールドワークの成果などを発信して広報活動をおこなった。 5.最終年度である翌年度末に研究成果を出版するために、2度の企画会議を開催し、出版社との打ち合わせを開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.本研究では、紛争解決や共生の実現のために、アフリカ人が編み出し運用してきた知識や制度を「アフリカの潜在力」という考え方に昇華することを目的としてきた。その結果、「語りの力と聴く力」「ねばりづよい折衝」「社会的癒しと共生」「調和の回復」「集合的な判断」という5点の特徴を抽出した。 2.「アフリカの潜在力」は、外部から移入される知識や技術・制度(国家の仕組みや近代的な裁判、外来の知識や価値観)との競合と交渉、接合のプロセスにおいて、重層的・動的に生成していることを解明した。 3.アフリカでは人々が頻繁な移動を繰り返し、地域社会は異質な外来者を取り込みつつ変容してきた(包摂性と流動性)。大多数の人々は多言語話者であり、民族帰属も状況依存的であった(複数性と多重性)。また、人々は外来の知識や価値観を必要に応じて取り入れ、異なるものを接合しつつ新しい知識や制度を創造してきた(混淆性とブリコラージュ)。本研究では「アフリカの潜在力」を背後から支える論理として、この三つの特徴を抽出した。 4.本研究では、アフリカ各地で毎年「アフリカ紛争・共生フォーラム」を開催し、3年目と5年目には日本で「国際シンポジウム」を開催する。現在までに前者を4回、後者を1回実施し、10人、10人、17人、14人、8人のアフリカ人研究者・実務家を招聘して「アフリカの潜在力」に関する議論を重ねている。 5.本研究では、これまでに国際学会(5回)および国内学会(2回)でパネルを企画して研究成果を発信し、議論を深めている。 6.本研究の成果の一部は、英文ではAfrican Potentials 2013, Conflict Resolution and Coexistence: Realizing African Potentialsの2冊で出版した。さらに2015年度には英文で1冊、和文で5冊の書籍を出版する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
1.最終年度にあたる2015年度には、本研究プロジェクトの成果として、『アフリカ潜在力:紛争解決と共生の実現にむけて(仮題)』全5巻を和文で出版する。この5巻全体を有機的な結合を有するシリーズとして構築するために、企画会議を繰り返す。同時に、各巻の執筆者はデータの整理・分析と執筆作業をおこなうほか、それぞれの巻を構成する各章の内容がお互いに連関しつつ全体が構成されるように、各章の原稿をもちよって内容を検討する会議を繰り返す。 2.英文の研究成果としては、African Potentials for Conflict Resolution and Transformation: The Southern African Perspective(仮題)を出版する。また、アフリカにおける紛争解決と共生の実現のための知識や志度、それが実際に活用された事例を集積した「アフリカ紛争・共生データ・アーカイブ」の構築を継続し、その一部を出版する。 3.全体会議を2ヵ月に一度のペースで継続し、また、各「研究ユニット」「研究クラスター」の会議も随時、開催する。 4.2015年10月には第5回「アフリカ紛争・共生フォーラム」をエチオピア(アジスアベバ)で、そして2016年1月には第二回国際シンポジウムを京都で開催する。いずれの会議にもアフリカ人の研究者やNPO関係者などの実務家を招へいして「アフリカの潜在力」という概念を総括するための議論をおこなう。 5.研究成果は、随時、論文や国内外の学会における口頭発表によって公表するほか、和文、英文のホームページを活用して迅速に公開する。
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Research Products
(156 results)
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[Presentation] Aging society in wild chimpanzees?: Summary of life history profiles and its implications for conservation of Bossou chimpanzees, Guinea2014
Author(s)
Yamakoshi, G., Koops, K., Sugiyama, Y. and Matsuzawa, T.
Organizer
JSPS Core-to-Core Program Symposium, “Ecology and Conservation of Great Ape Populations
Place of Presentation
Makerere University, Kampala, Uganda
Year and Date
2014-12-19
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