2011 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロフルイディックエンジニアリングの深化と生体分子高感度定量計測への展開
Project/Area Number |
23226010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
庄子 習一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00171017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 潤 早稲田大学, ナノ理工学研究機構, 客員准教授(専任扱い) (60386737)
関口 哲志 早稲田大学, ナノ理工学研究機構, 客員准教授(専任扱い) (70424819)
竹山 春子 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60262234)
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Keywords | 計測工学 / 計測システム / MEMS / マイクロ化学システム / マイクロファブリケーション / 細胞構造・機能 / 細胞分化 / 生体高分子構造・機能 |
Research Abstract |
1.研一究の目的 微小発光サンプルの光学的超高感度定量計測を可能とすべく、on demand型の光学的補助機能を組み込んだマイクロ流体デバイスを開発する。具体的にはマイクロ流体内超高感度光学観察場のon demand構築技術及びそれをサポートする周辺技術の構築、並びに超高感度光学的定量計測に適した微小サンプル前処理技術を開発する。 H23年度は、研究グループが既に保有している要素技術の問題点の検討と改良を行い、本研究課題への応用を試みる事を目的とする。 2.研究実績の概要 1)マイクロレンズ・マイクロガラスピラー・超フラットガラス平面等の光学部品の作製とフロー制御による固定化 マイクロドロップレット生成デバイスを応用してマイクロレンズを作製し、これをアレイ上に配置することにより、インラインでの集光の可能性を示した。また、XeF2を使ってエッチングしたSiを鋳型として使い、マイクロガラス流路中にたくさんのガラスレンズを簡単に作製する手法を新たに確立し、従来ではプロセスの複雑さから実用性が疑問視されていたガラスレンズアレイによる高感度センシングシステムの可能性を示した。 2)微小サンプル前処理用マイクロ流体デバイスの開発 マイクロドロップレット生成デバイスを応用して培地で作製したゲルドロップレットに細胞を一つずつ閉じ込め、これを所定の場所まで運び細胞培養を行うことに成功した。これにより、綱胞を傷つけることなく、外部刺激等に対するリアルタイムな観察を可能とした。また,マイクロドロップレットのアクティブおよびパッシブソーティングが可能なデバイスの作製に成功し、ドロップレットを破壊しないまま選別することに成功した。さらに、マイクロドロップレットのデジタル的な融合が自由に可能なデバイスの作製に成功し、定量的刺激と反応への道筋をつけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H23年度は既に研究グループが保有している要素技術を見直し、本研究で応用するには何が問題なのかの把握と、その改良の道筋をつけることを目標とした。この目標はおおむね達成することができたが、その結果として、最終到達目標のレベルの高さを改めて自覚する結果ともなった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在は観察やハンドリングの最終対象サンプルのスケールが、最小でも数μmのスケールだが、これをもう一桁から二桁小さくするための試みが必要であることが、臨床サイドからの強い要求により明らかになった。現在のマイクロフルイディックエンジニアリングに加えて、たとえば分子間力や粘度がより強く影響してくるといった、新しい物理学や化学等を加えた「ナノ流体工学」の構築が必要であると考えられ、今後新規発想を取り入れながら研究を推進していく。
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Research Products
(34 results)