2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23226014
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 要 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (10324659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 隆 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (20314049)
淡路 智 東北大学, 金属材料研究所, 准教授 (10222770)
西嵜 照和 九州産業大学, 工学部, 准教授 (90261510)
Mele Paolo 室蘭工業大学, 工学研究科, 准教授 (70608504)
堀出 朋哉 九州工業大学, 工学研究院, 助教 (70638858)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 薄膜 / ナノ組織制御 / 超伝導 / 磁束ピン止め / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的の一つである「①最適人工ピン構造の設計」においては、様々な人工ピンの形状やその空間分布に対して3次元TDGL方程式に基づくJc予測手法を確立し、20~30%の体積分率で平行ピンを主として導入した構造が最適になるとの結論を得た。「②ナノ構造・ヘテロエピ薄膜作製技術」においては、GdBCOやSmBCO薄膜にナノロッド人工ピンを導入した構造を用いて77 Kの温度で32 GN/m3という値を達成し、昨年度の値を更新するとともに現時点で世界トップの値を実現した。一方、これらの薄膜シリーズの中から低温での性能を評価したところ、4.2 Kにおいて巨視的ピン止め力は1700 GN/m3に増大することが明らかになった。これは77 Kで得られる最高性能の約60倍であり、高磁場発生コイル実現にむけて有望なデータとなった。またこの時の人工ピンの体積分率は高々5%であり、シミュレーション結果から予測されるようにさらに体積分率を増やす薄膜作製技術が必要であることも分かった。一方、「③ミクロ構造および物性キャラクタリゼーション」においては、77 Kにとどまらずより低温・高磁場領域の測定を実施して様々な新成果を得た。ピン止め実験結果の理論解析では、調和振動子手法に基づく熱ゆらぎを含んだ不可逆磁場とJc計算モデルを開発しTc近傍における実測値とよい一致を得た。さらにナノロッドピンと酸素欠損のようなランダムピンを含む系に対する協同ピンモデルを構築し、高温超伝導体の低温域における巨視的ピン止め力の振る舞いを明らかにすることに成功した。また第一原理計算や、有限要素法、TEMを含めたマルチ構造解析を展開し、ナノ複合薄膜内部での人工ピンと母材とのミクロ構造や歪分布に関する詳細な知見を得た。 なお本研究で得られた高度な知見は、現在、高温超伝導線材開発プロジェクトへの展開を進めているところである。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(34 results)