2011 Fiscal Year Annual Research Report
流出重油・ガスの自動追跡システムの確立と革新的海洋防災システムへの展開
Project/Area Number |
23226017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 直三 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00138637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博善 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00252601)
千賀 英敬 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60432522)
岡野 泰則 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90204007)
高木 洋平 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40435772)
吉江 宗生 独立行政法人港湾空港技術研究所, 新技術研究開発領域, 研究チームリーダー (80359231)
田中 敏成 独立行政法人港湾空港, 新技術研究開発領域, 研究官 (40344311)
伴 貴彦 大阪大学, 基礎工学研究科, 講師 (60454485)
坂上 憲光 東海大学, 海洋学部, 准教授 (20373102)
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Keywords | 重油・ガス流出事故 / 自動追跡 / 海中ロボット / 浮遊式ブイロボット / 拡散シミュレーション / 海洋実験 |
Research Abstract |
本研究は,船舶からの重油流出事故や海底の油やガスの生産施設からの流出事故に際し,リアルタイムで情報を供給する複数の浮遊式浮流重油自動追跡ブイロボットと、重油やガスのプルームの追跡を行う海中ロボットに関する自動追跡システムを確立し、これらのロボットから得られた海面や海中での重油の漂流位置、海象条件および浮流重油の性状に関する取得データを使い,重油拡散シミュレーションの精度向上を図ることで,流出重油の海上での回収や流出重油の漂流が予測される地域への適切な油防除機材の配置を行うことで,海洋防災システムへの展開を図る.平成23 年度は,次の3 項目について研究を行った.1) 海底からの重油やガスのプルームを自動追跡する海中ロボットに関する研究,2) 深海からの油とガスの噴出に関する熱化学的反応を含む拡散シミュレーションに関する研究,3) 海面浮遊式浮流重油自動追跡ブイロボットに関する研究 1)の研究項目を実施するにあたり,次の二つの副研究項目を実施した.① 海中ロボットに搭載する音響流速計と対地速度計の特性試験を大阪大学水槽と琵琶湖と淡路島沖での野外実験にて実施した.②母船との音響通信モデム,音響位置検出装置の音響機器の特性試験を大阪大学水槽にて行った. 2)の研究項目は2 年にわたって実施する計画で,初年度は,深海からの油とガスの噴出に関する熱化学的反応を含む拡散シミュレーション技術を新たに開発し,過去の計算や実験データと比較し,評価した.具体的には,ハイドレードの形成と分解,ガスの溶解,ガスの挙動,潮流によるガスのプルームからの分離など,流体力学と化学熱力学の干渉を含んだ複雑な油とガスの拡散過程を表現した. 3)の研究項目では,帆の面積と角度を制御する円筒型の浮遊式ブイロボットを用いて,琵琶湖と淡路島沖にて,疑似油を追跡する実験を実施し,性能を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカから購入予定であった水中質量分析計がメーカーの一方的な交渉打ち切りにより購入ができなくなり,別の機関からレンタルすることになり,水中質量分析計の試験の計画に遅れが出た.
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Strategy for Future Research Activity |
当初,購入予定であった水中質量分析計をレンタルすることになり,次年度にメーカーとの契約書の締結,メーカー訪問による詳細打ち合わせが必要となる.また計画全体の予算についても,変更を与儀なくされた.契約では,3年にわたるレンタル契約を結ぶことになる. それ以外の研究項目については,計画通り,推進する.
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