2013 Fiscal Year Annual Research Report
超放射による超小型短パルス・コヒーレントテラヘルツ光源
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23226020
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
浦川 順治 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, その他部局等, 名誉教授 (00160333)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高周波電子銃 / フェムト秒レーザー / フォトカソード / 高電界加速 / 自由電子レーザー |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年1月から35フェムト秒レーザーパルス発生及びミクロパルス生成試験を行い、ほぼ再現性良くレーザー装置運転が可能になったので、2013年9月から3倍高調波発生試験を開始した。しかし、3倍高調波発生で使用するBBO結晶の結晶軸に関係する問題が明らかになり、急いで新しい3倍高調波発生器を購入して3倍高調波発生実験を行い、0.6mJ/pulse、安定性1.35%、最大変換効率3.8%の結果を2014年2月末に得るに至った。3倍高調波レーザーパルスエネルギー1mJが目標であったので、ほぼ近い値が得られている。フェムト秒レーザー生成で予想外の装置調整が必要になり、またレーザー室から10m以上に及ぶ高周波電子源光カソードまでのレーザー輸送でディスパージョン効果によりレーザーパルス長が50fsから100fsまで伸びることも明らかになった。50fsまでレーザーパルス長を短くする改造が必要であるが、小型加速器等の装置準備は十分な状況であるので、2014年3月からフェムト秒単バンチ電子ビーム生成およびTHz放射実験に着手した。そして、短バンチ電子ビームの品質がコヒーレントTHz発生に適するものであることを確認した。 これまでに得られた研究開発成果は、約100fs(FWHM)レーザーパルスを高電界光高周波電子源のカソードに照射できることを確認できたことと、電子ビームトラキングシミュレーション結果から、超小型の高性能電子加速器による高輝度THz発生装置が実用化できる見通しを得たことである。フェムト秒レーザー生成とミクロパルストレイン生成を慎重に進めることが、画期的な成果を得る為の着実な方法であると認識している。レーザーを使ったTHz光源と本THz光源を比較した場合、ミクロバンチ列からのTHz放射の干渉効果によって、本THz光源は準単色THz電磁波を波長選択的に供給でき、高強度になる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フェムト秒レーザーパルスから3倍高調波を作る非線形結晶等の調整が順調に進まなかった為に、100f秒電子ビーム生成が2014年4月まで遅れた。2013年1月から35フェムト秒レーザーパルス発生及びミクロパルス生成試験を行い、ほぼ再現性良くレーザー装置運転が可能になったので、2013年9月から3倍高調波発生試験を開始した。しかし、3倍高調波発生で使用するBBO結晶の結晶軸に関係する問題が明らかになり、急いで新しい3倍高調波発生器を購入して3倍高調波発生実験を行い、0.6mJ/pulse、安定性1.35%、最大変換効率3.8%の結果を2014年2月末に得るに至った。フェムト秒レーザー生成で予想外の装置調整が必要になり、またレーザー室から10m以上に及ぶ高周波電子源光カソードまでのレーザー輸送でディスパージョン効果によりレーザーパルス長が50fsから100fsまで伸びることも明らかになった。50fsまでレーザーパルス長を短くする改造が必要であるが、小型加速器等の装置準備は十分な状況であるので、2014年3月からフェムト秒単バンチ電子ビーム生成およびTHz放射実験に着手した。以上のフェムト秒レーザーパルス調整の間に、小型加速器の運転調整や高電界加速化試験を順調に進めた。また、30cmウィグラー製作やTHz測定装置製作も完了して、それぞれの性能試験結果も満足できるものであった。また、レーザーパルス長は約100fs(FWHM)まで伸びていることが測定されたが、本計画実験を進めるのに必要な電子バンチ長のミクロバンチ列生成に問題になる量になっていない。以上から研究計画のフェムト秒電子ビーム生成スケジュールの遅れを除けば、ほぼ申請書の計画案通りに進んでいる。ただし、最も重要な結果である超放射測定の時期が半年程度遅れることになってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
THz発生に必要なフェムト秒レーザー装置が完成して、フェムト秒電子バンチ生成の準備が整った。また、Coherent THz放射に必要な小型ウィグラーやスミスパーシェル放射に必要な周期場生成用結晶(Grating plate)製作が終了した。H26年夏からミクロバンチトレイン生成を行い、コヒーレント THz生成測定実験が行える状況になっている。この間、フェムト秒レーザーパルス生成・調整・輸送以外は非常に順調に進んだ。 H26年夏からCoherent THz生成測定実験を開始して、徐々に4ミクロバンチトレインから16ミクロバンチトレインに増やすことによってTHzの単色化と高ピークパワー化を進める。フェムト秒レーザー16パルス列生成は、まず半波長板(1/2 λ plate)によってS偏光の位相を45度回転した後に偏光ビームスプリッター(PBS)で反射・通過させることによって、フェムト秒レーザーパルスを二つに分ける。通過したS偏光パルスはOptical delay lineによって100fsec程度遅らせ、再度PBSを使ってP偏光パルスとS偏光パルスを合流させると、フェムト秒レーザー2パルス列が生成できる。これを4回繰り返して、フェムト秒レーザー16パルス列生成を行う。平成26年度は4パルス生成した795nmレーザーの3倍高調波265nmを光高周波電子源カソードに照射して、フェムト秒電子ミクロバンチ列の生成を確認する。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Linear and second order optics corrections for the KEK Accelerator Test Facility final focus beam line2014
Author(s)
T. Okugi, S. Araki, P. Bambade, K. Kubo, S. Kurado, M. Masuzawa, E. Marin, T. Naito, T. Tauchi, N. Terunuma, R. Tomas, J. Urakawa, G. White, and M. Woodley
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Journal Title
Phys. Rev. ST Accel. Beams
Volume: 17
Pages: 023401-1,-11
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Design and high order optimization of the Accelerator Test Facility lattices2014
Author(s)
E. Marin, R. Tomás, P. Bambade, K. Kubo, T. Okugi, T. Tauchi, N. Terunuma, J. Urakawa, A. Seryi, G. R. White, and M. Woodley
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Journal Title
Phys. Rev. ST Accel. Beams
Volume: 17
Pages: 021002-1,-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Development of a three dimensional four mirror optical cavity for laser-Compton scattering2013
Author(s)
T. Akagi, S. Araki, Y. Funahashi, Y. Honda, H. Kataoka, T. Kond, S. Miyoshi, T. Okugi, T. Omori, K. Sakaue, H. Shimizu, T. Takahashi, R. Tanaka, N. Terunuma, J. Urakawa, M. Washio, H. Yoshitama
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Journal Title
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A
Volume: 724
Pages: 63-71
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] 1ms Pulse Beam Generation and Acceleration by Photocathode Radio Frequency Gun and Superconducting Accelerator2013
Author(s)
Masao Kuriki, Hokuto Iijima, Seiichi Hosoda, Ken Watanabe, Hitoshi Hayano, Junji Urakawa, Goro Isoyama, Ryukou Kato, Keigo Kawase, Ayaka Kuramoto, Shigeru Kashiwagi, and Kazuyuki Sakaue
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Journal Title
Jpn. J. Appl. Phys.
Volume: 52
Pages: 056401-1, -7
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] STATUS AND FUTURE PLAN OF THE DEVELOPMENT OF A COMPACT X-RAY SOURCE BASED ON ICS AT LASER UNDULATOR COMPACT XRAY (LUCX)2013
Author(s)
M. Fukuda, S. Araki, A. Aryshev, Y. Honda, N. Terunuma, J. Urakawa, K. Sakaue, M. Washio
Organizer
PAC2013
Place of Presentation
Pasadena Convention Center, Pasadena, CA, USA
Year and Date
2013-09-29 – 2013-10-04
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