2011 Fiscal Year Annual Research Report
カイコ冬虫夏草由来のマウス海馬修復因子の構造解析とヒトへの応用開発
Project/Area Number |
23228001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
鈴木 幸一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
御領 政信 岩手大学, 農学部, 教授 (80153774)
品田 哲郎 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30271513)
吉岡 芳親 大阪大学, 免疫フロンティア研究センター, 教授 (00174897)
高橋 智 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (50216719)
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Keywords | 昆虫機能利用 / 生理活性 / 生物有機科学 / 脳神経 / 脳神経疾患 |
Research Abstract |
カイコ冬虫夏草ハナサナギタケ(Paecilomyces tenuipes) の 熱水抽出物から、マウス海馬における修復因子を単離精製するためには、安定したバイオアッセイ系を確立することが不可欠である。そこで最初に、新生児マウスの大脳から神経細胞関連の初代培養系を確立することができた。次に、位相差顕微鏡観察、およびNSEとGFAPによる免疫染色法で細胞観察を行いながら、ルーチンワークとして神経細胞関連の特性の検証を行った。一方、海馬修復因子の単離精製を目指して、二層分配法と順相フラッシュカラムクロマトグラウフィー法により特定の画分に活性の存在を確認することができた。この画分における複合状態の生物活性分子の特性情報を把握するためにNMRとMSの解析を行い、第二段のステップに単離精製を進めるための貴重な情報を得ることができた(岩手大学-大阪市立大学)。 ヒト試験に関しては、「カイコ冬虫夏草の乾燥粉末、熱水抽出画分の認知症患者の脳機能向上に及ぼす効果」として、すでに倫理申請審査の結果承認を得ている(岩手医科大学)。その上で、同意書を取得し、平成23年9月9日より第1例目の患者から、髄液検査(アセチルコリン濃度)→認知機能検査(ADASスコア)→診察→カプセル投薬(摂取量200mg x 4カプセル/2回/日)という流れでスタートした。さらに、認知症患者でのMRI(磁気共鳴イメージング)解析を目指し、MRIおよびMRS(磁気共鳴スペクトロコピー)の機能評価方法の高機能性化開発を推進中である(大阪大学)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
海馬修復因子の単離精製を進めるためのバイオアッセイ系を確立し、部分精製の特定画分において活性の存在を確認したので、この成果を特許出願した。また、最大の難関であるヒト試験を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
海馬修復因子の単離精製と構造決定が大きな飛躍となるので、それを目指しながら、スタートしたヒト試験においてはトラブルの発生を防止し、研究成果が期待できるように連携(岩手大学と岩手医科大学)を強化する。
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Research Products
(1 results)